君と 3

せっかちな彼 ページ42

キスの嵐。
乱れる呼吸。



西島君の溶けちゃいそうな甘いキスに着いて行くのに必死な私。



まって、あまりにも気持ちよくて、どうにかなっちゃいそう。



『みお…』



唇が離れると、西島君は優しい眼差しで私を見つめて、名前をささやく。
そのかすれた声に、私の体の中心が疼く。



『好きだよ、みお』



彼の言葉にまた、涙。



『泣き虫』



嬉しそうに微笑む彼。



「好きなの。西島君のこと」



『ふっ、知ってる。やっと、素直になったね』



「やっと？」



『告白してから1週間、長かった』



また…
西島君、私の右耳を撫でてる。



そんなに甘い目で見つめないで。
体が熱くなって、変な気分になる…



「たったの、1週間でしょ…んんっ」



恥ずかしさをごまかすように言ったら、彼に首筋を甘噛みされた。
そのまま舌を這わせて、耳元から鎖骨あたりを行ったり来たり…



「んっ、西島君まって…」



『待たないよ、みおは俺がせっかちで気が短いの知ってるだろ？ 1週間待たされたの俺。だからその分、覚悟してね』



えっ覚悟…



口角を上げ、まっすぐに私を見つめる西島君。



『はい、腕をここにまわして』



私の両腕を自身の首にまわすと、軽々と私を抱きかかえ



『寝室行くよ、いい？』



「やだって言っても連れて行くでしょ？」



確認しないでよ、恥ずかしいから…
つい可愛くない返事をしてしまう。



『ふっ、ここがいいの？』



「……」



『みお？』



絶対わざと聞いてる。
口元がニヤニヤしてるもん。



「…ベッドがいい」



彼にぎゅっとしがみついた。
恥ずかし過ぎて無理。



『俺も、今日はベッドがいいな。ソファはまた今度』



「バカ。もう恥ずかしいからやめてよ」



『素直に行くって言わないからだよ』



「うるさいなぁ。早く連れてって」



『ふふっ、せっかちだね、みおも』



もう、何とでも言って。
こうなったらもう、西島君にはかなわない私。



彼の満足げな顔に、まぁいいかって、私も満足しちゃうんだ。

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