ん? ページ42
ホテルのロビーには宿泊客でいっぱいだった。
なんとか人混みに紛れて逃げられないかと思考錯誤したけれど、腕とバックをがっちり掴まれていてそれは叶わなかった。
「ほら、もう諦めなさい」
「.....くっ」
待ち合わせ場所のラウンジまで来てしまった。
ここで逃げてしまえば相手にも申し訳ないし、そもそも母の友達の息子さんだ。
母の顔を立てる為にも一度会っておくしかなさそうだ。
その後でやっぱり私には...と断る。
よし、それでいこう。
「あ、いたいた」
母が手を振る先にはモノトーンコーデに身を包んだ上品そうな女性がいた。
その隣にはダークグレーのスーツに青いネクタイをしめた男性もいる。
少し猫背でふわふわとした黒い髪。
おじさんではなさそうだ。
「ごめんなさい、遅れちゃって」
「いいのよ〜別に!あらAちゃん大きくなって〜って覚えてないわよね?最後に会ったの赤ちゃん幼稚園くらいだし」
「あ、ははは」
あぁ、本当にこういうの苦手。
とりあえず笑っておくしかない。
「Aちゃんが東京に住んでるって聞いて...うちの子もこっちに住んでるのよ。だからちょうどいいなって話になって」
一体何がちょうどいいんだ。
ちらりと母を見ると素知らぬ顔。
やっぱり最初からそのつもりだったのか。
「ほら、挨拶して」
と女性に促され、今まで黙っていた男性がスッと1歩前へ出てきた。
「...初めまして。一ノ瀬 彼方といいます」
「あ、初めまして。鈴木 Aと申し.....ん?」
聞いたあるような少し気だるげな声。
改めてマジマジと男性の顔を見る。
「!!!...そ、」
思わず口を両手で塞いだ。
「どうしたの?A」
「い、いえ、かっこいい方だなぁ〜と...」
「まぁ、この子ったら!」
一ノ瀬 彼方さん、いや、そらるさんは怪訝そうな顔で私を見ていた。
(なんでこの人がここに!!)
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まろまゆこ(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(*´∀`)ノ (2019年4月5日 20時) (レス) id: 67560b2a77 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - めっちゃ面白いですね!歌い手好きから見るともうたまりません!!(*´ω`*) (2019年4月5日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - くろすけ。さん» ありがとうございます!嬉しいです(*´∀`*)頑張ります! (2019年4月5日 10時) (レス) id: 67560b2a77 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ。 - ちょ、夢主ちゃん可愛すぎですか!めっちゃくそおもろいですよ!これからも更新ふぁいとぉいっぱつですよ! (2019年4月5日 9時) (レス) id: 3c51fdbe70 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - じゅうさん» コメントありがとうございます!頑張ります(*´ェ`*) (2019年4月4日 11時) (レス) id: 67560b2a77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まろまゆこ | 作成日時:2019年3月31日 9時