おかあさんではありません！2【浦.島.坂.田.船】

スーパーヒーロー ページ12

「っ、離してください！」
「恥ずかしがらないで。さぁ行こう」

腕を引っ張ってもうんともすんともいわない。
恐怖が涙と共に込み上げてくる。
もうダメだ、このまま力を抜いてしまおうかと思った瞬間、

「A！！」

「さ、かた...さん」

現れたのは坂田さんだった。
赤い瞳が怒りに揺れている。

「A、大丈夫か！？」
「誰やお前」
「Aちゃんから手離してくれます？」

皆さんの顔を見た途端、堪えていた涙がぼたぼたとこぼれ落ちた。

「誰だ？お前ら！僕とAちゃんの邪魔をするな！」

男の目が4人を鋭く睨んだ。

「お前が気安くAの名前呼ぶなや」

聞いたこともないような坂田さんの低い声にビクリとしてしまう。
怒っている。
彼らが怪我をしてしまっては元も子もない。
4人に何かあってはダメだと分かっているのに、

「...たすけて」

口から出た言葉は助けを求める声だった。


(縋ってしまってはダメなのに)

ありがとうだけじゃ足りない→←君は大事な

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