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『赤司君って、二重人格だったりし無い?』
「其の正確な答えは、俺には判断し難い」
「うん」
「けれど、俺が感じた違和感が本当なら、そう言う事に成るだろうな」
「…………そっか」
慎重に、言葉を探す様に緑間君は言葉を漏らす。デリケートな問題なのだ、此れ以上深くはつっこまない方が良いであろう。
お茶のお代わりを彼の湯呑みに注ぎ、にこりと微笑む。緑間君はふん、遠慮無く戴くのだよとそっと手を伸ばしながら話を続けた。
「正直、俺は驚いている。彼奴がそう言う素振りを見せたのは、帝光でもバスケ部の一部にだけだ。其れを、お前が見抜くとはな」
「…………まぁ、職業柄?」
「ふん、だとしても凄いのだよ」
丁寧にテーピングされた左手で、彼は眼鏡のブリッジを上げた。
私は曖昧気に頷く。
え、過大評価し過ぎじゃ無いかなぁ。
「だからと言って貴様を認めた訳では無いぞ」
「……はぁ」
ハッと弾かれた様に顔を上げ、緑間君は目を険しくした。
暫く黙って、次に発したのは。
「…………赤司が二人居るのでは無いかと疑って居るのは少数だけだ」
「うん」
「もし良ければ、此れからも奴の側に居て欲しい」
「うん」
「…………何分、《こっち》の赤司は危う過ぎるのだよ。何時、何をしでかすか想像すらつかん」
「…………緑間君でも?」
「あぁ、俺でも、だ」
純粋なお願い。
真剣で、無垢な瞳。真っ直ぐな視線。
其の真摯な態度に、私は真正面から応える。
「其れを決めるのは私じゃ無い。けれど、私は赤司君の側に居るよ」
「……………………お願いする」
「……………………うん」
最上の笑顔を浮かべ、手を胸に当てた。
君を信じよう、とお互い無言で頷く。
其の願い、聞き届けたり。
「じゃあ私からもお願い、良いかな?」
「……何だ?」
「えっとね、____」
こうして、私達の『話し合い』は幕を閉じた。
緑間君を待ち合わせ場所迄送り届け、赤司君から頼まれて居たブツも無事に手渡し完了。
緑間君は、誇らしげに金魚の水槽を掲げながら別れを告げた。
私も、対抗して赤青鉛筆を持ちながら手を振る。
………………周りには、変な目で見られたが。
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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時