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用がなければ、彼は人を呼び止めない。
だから其の儘、彼の言葉をじっとして待った。
勿体ぶった間の作り方。此れも、彼のトーク術なのだろうか。
「後で、話がある。部活終了後、一軍部室に来る様に」
「はい」
今週の練習試合についてだろうか。
部活は……後二時間位で終わる。彼が頷いたのを確認して、体育館へと戻った。
急がなきゃ、皆んなが喉を乾かして待って居る。
そう懸念して、私は歩調を速めたのであった。
一人の少女の姿が見えなくなって、後ろ姿を見守って居た少年は確信めいた笑みを浮かべる。
携帯を取り出し、良く知っている人物にコールを掛ける。
「やぁ、久しぶりだね」
誰も居なくなった空間に、彼の妖艶な声色がゆっくりと溶け込んで行った。
電話口の向こうから、意表を突かれたのか驚く元チームメイトの懐かしい声がする。
“……お前が電話など珍しいな”
「偶には良いだろう」
“__そうだな。其れで、明日の事なのだが”
「悪いが、明日は会えない」
“…………なっ!?如何いう事なのだよ赤司!!”
彼の叫びに耳を携帯から少し離す。
目を最大限見開いている姿を想像して、再び電話口にばっさりと告げる。
「其のままの意味だ。明日は、会えない」
“__何か在るのか”
「そうでなければ、友人の願いを無下に何てしないよ」
冷酷だが、暖かみの有る声が廊下に反響する。
理解が早くて助かるよ。
悪いね、と目を伏せて赤司は呟く。
「だから、代理人を寄越そう」
“…………代理人、だと?”
「そうだ。彼女と話してくれ。場所は此方の部室を提供するよ」
“なっ、『彼女』!?”
「何だ、不都合でも有るのか?
______真太郎」
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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時