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“『黛千尋』に出会った?”
「そう!黛先輩!」
雨が止み、月が良く見える午後八時。部屋から出て、私は廊下で通話をしながら外を眺めていた。
“そうかぁー、彼奴も三年生かぁ”
「うん」
しみじみと呟く声に思わず微笑む。
“相変わらず無表情だったか?”
「うん、でした」
はる兄の名前出したら驚いてたよ、と言うと彼は嬉しそうに笑った。
“____ところでA”
「……?はい」
急に真面目なトーンが聞こえて来る。
少し不自然だったが、はる兄は何時もこんな感じなので特に疑問は持たなかった。
“『彼奴』と、やっと話せる様になったぞ”
「!本当!?」
“おう”
予想外の吉報に、テンションが高まる。
彼が話す『彼奴』に、話しかけてもずっと無視されると聞いて心配して居たのだ。
“練習相手には相変わらず成ってくれないけどな”
「うんうん、少しずつで良いんだよ!」
“そうだな、気長にやって行くよ”
実に楽しそうな口調に、私はすっかり安心する。
仲良く成れると良いなぁ。
二人がバスケしてる所とか観たいなぁ。
一人で妄想をして居ると、はる兄がふと思い出したかの様に口を開いた。
“そう言えばお前、部活どーすんの?”
「え?えっと……まだ決めて無い、です」
……まさかはる兄にまで聞かれるとは。
“お前、バスケにハマったんだろ?女バスあったよな?”
「うーん、授業でやった事有るけど、私は観る方が好きみたい」
やってる時と観ている時では、得られる感動が全く違う。
何方かと言うと私は後者の方が好きなのだ。一番は、私があまり運動神経に自信が無いからだけれど。
“マネージャーは?”
「……其れは無理」
はる兄からの提案に、私は一瞬吃るも直後に否定する。
“はぁ?何で”
自身の口調の強さに、彼の眉を顰める姿が想像出来て慌てて理由を付け加える。
「マネージャーは既に優秀な方々がいらっしゃるので」
ふーん、とはる兄の冷めた声が聞こえて来る。
…………まぁ、ね?
正直、マネージャーをやりたくないと言ったら嘘になる。
一番近くで彼等を支えられるポジションは、やはり羨ましく映るからだ。
だが強豪校の中でもトップに値する此の洛山に、私の出しゃばる幕は無い。
………………其れだけ。
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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時