【黒バス】あ か こ こ ろ【赤司征十郎】

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「はい、次自己紹介な」



健康カード等の入学資料を無事集め終わり、恐れている時がやって来た。

座右の銘、どうしようかな。


「まぁ緊張してるだろうけど、大したインパクトが無ければ皆んな忘れてるから」


乱雑な言い回しに戸惑うも、其の通りなのは否めない。


「じゃあ一番から」
「はい」


よく、通る声がした。






「一番赤司征十郎、座右の銘は迅速果断」






静かだった。

堂々と、彼は言葉を述べる。すっ、とその人物は席に着く。



音は、しなかった。



シーンとしてしまい、赤司君の後ろの男の子も動けずに居た。
先生もハッと気が付いて声をかける。


「おーい、伊東？」
「あっ、あはい！」


ガタッ、と椅子を引いて彼は立ち上がった。


「二番、伊東陸。座右の銘は格物究理です」


「三番、＿＿＿＿」



同じ調子で、自己紹介は順調に続いていた。



「二十一番、梅垣侑香です。真実一路に生きて行きたいです」



暫くすると、出番は女子へと移り変わる。
トップバッターは梅ちゃん。

皆の洒落た座右の銘を聞いている内に、出番は私の二つ前の席の方にまで迫っていた。


緊張、する。


前の席の方が座ると同時に、ゆっくりと立ち上がった。



「三十四番、南A。日々是好日」



…………あ、最初に『座右の銘は』と付けてない。まぁ伝わるだろうしと言うか誰も聞いてないだろうしいいか。

カタッ、と音を立てて椅子を引いた。



「三十五番、＿＿＿＿」



ある意味今日の山場を乗り越えた私は、ほっと息を吐いて残りの自己紹介に耳を傾けるのだった。

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