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「さっきぶり」


急いで廊下に駆け寄る。


「どうしたの?」
「いや、暇だったから来た」


みやちゃんは三組だそうだ。教室は隣同士。
話していると、後ろから聞きなれない声(最も此処に聞き慣れた声など無いのだが)がしたので振り返る。


「あれ、雅?」
「ん?お、侑香」


ゆうか、と呼ばれた彼女はどうやらみやちゃんの小学校の同級生らしい。パッツン前髪に、ぴょんとはねた小さなポニーテールが彼女の活発さを表現している。
久しぶり、と二人は挨拶を交わした。

戸惑っていると、梅垣侑香、二十一番ですと言われ慌てて此方も自身の名を述べる。


「南A、三十四番です」
「A、でいい?」
「勿論」


梅ちゃん(と、呼ぶ事にした)に、ルームメイトだと告げると羨ましいと言われた。寮の倍率はかなり高かったと聞く。


「二人共どう?洛山は」
「圧倒的だよ……」
「ホントだよ……」


みやちゃんの問いに、二人して項垂れる。カラカラと笑う彼女を尻目に、顔を見合わせて苦笑した。


「あたしの隣、赤司だしね」


そう、何と私は赤司君と同じクラスになったのだ。
みやちゃんが驚いて口を開く。


「赤司様このクラスなの?」
「うんそう。しかも隣ですよ雅さん」


…………赤司『様』?


「あれ、A赤司の事知らないの?」
「……知ってる」


もちのろん、存じておりますとも。



「新入生宣誓の時からオーラあったけど、隣だと圧力が凄くてですね」



押し潰されるかと思いましたよええ、と梅ちゃんは苦笑した。

三人で、チラッと彼の方向を見る。



わ……!!



凄い。

彼の席は、教室前方の扉に一番近い。其処に、其れはもう沢山の方々が集まり一人を取り囲んでいた。

勿論、中心は赤司君。

声をかけられない方も、遠くから皆見つめております。

しかもですね、赤司君其れに平然と答えているのです。男女問わず質問責めをしていらっしゃるのですが、美しいスマイルで模範解答。


「……侑香、頑張れ」
「……うっす」


ぽん、とみやちゃんが梅ちゃんの肩を軽く叩く。
御愁傷様です、と呟いて時計を見た。



「あ、チャイム鳴る」
「え、ちょ待って二人共、あたしをあの中に突っ込む気ですか」
「「うん」」
「君ら今日会ったばかりなのに何でそんな息合うの」



しょぼーん、と眉を顰めた梅ちゃんを慰めながら、私達は自席へと戻った。

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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時

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