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入学式を終えて、担任だと言う先生の指示に従う。若い、男の先生だった。

受付にて貰った番号は、そのまま出席番号になるらしかった。
私は『一四三四』。一年四組、三十四番と言う事だろう。

そのまま教室へと移動した。黒板に貼ってある座席表を見て、自席に着く。
教室の、一番後ろの列。丁度部屋のど真ん中に位置するその席からは、空間の全体が見渡せた。




「初めまして、井尻忠文と申します」




全員が席に着くのを見て、教卓の上から担任の先生が話を始める。

井尻、忠文先生。


「今日から担任をします。どうぞ宜しく」


宜しくお願いします、とクラス全体から声が漏れた。やはりまだ緊張しているので、声は限りなく小さい。
其れに対して特に気を害す事も無く、彼は再び口を開く。


「では軽く自己紹介でも」


黒板に自身の名前を書き、こほん、と咳払いを一つ。


「担当は数学、放任主義です。皆んな頑張れ。聞きたい事がある人は自分から来い。以上」


…………。真面目な雰囲気からは考えられないような、簡素な言い方であった。

何もかも新しく写る私達にとって、インパクトは大きかったであろう。唯、悪い人では無さそうだ、と言う雰囲気は感じ取れた。


「えーとじゃあ次、まだ緊張してるだろうけどお前らの自己紹介な」


……え。


「名前と、うーん、座右の銘でも言えば良いんじゃない」


……座右の銘、ですか。


「教室の廊下側から順に、立って発表して貰う。まぁ考える時間も欲しいだろうし、次の時間書類集めたらな」


と言う事は、私の発表は大体真ん中。うん、一番印象に残らない順番だ。

一人、机の下でガッツポーズをしていると、チャイムが鳴り響いた。


「はい、じゃあ十分後」


其れだけを言い残し、井尻先生は教室から出て行く。

取り残された私達は、休み時間に話すような友達も居ない為、何も出来ず座ったままで居た。









……無言の空気。
正直、とっても気まずい。入学初日の緊張感を、もう少しだけ重要視して頂きたい。

冷や汗を浮かべながら教室を見回していると、とある声がした。




「……A。Aー」



えっ?

名前を呼ばれた方へ顔を向けると、其処には手を振るみやちゃんの姿があった。




「!みやちゃん!」

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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時

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