35日目 ページ35
Aside
「ちょっと坊ちゃん、私を邪魔してる暇があるなら他の奴の邪魔しなさいよ!!!」
「あぁ?明らかに邪魔してるのはお前の方だろ!」
「はぁ〜?あんた落とすわよ!?」
初めて会った時ようなギスギスした空気感が無くなり、互いに煽り合いながらも楽しそうにゲームをプレイする2人を後ろから見守る。
最初はどうなることかと思ったけど、なんとかなったみたいでよかった。
2人は俺にとって大切な人たちだから、仲良くしてほしい。
それが自分のわがままだと言うのは分かっている。
こんな気持ちを押し付けるのも良くないことも。
煽り合いながらも、楽しげにゲームで遊ぶ2人を見ていたら、今まで考えていたもの全てがどうでもよくなってしまった。
”もしも”のことなんて考えるな。
この2人なら…この2人だからこそ、きっと大丈夫。
気持ちを切り替え、俺もゲームに混ぜてもらおうと声をかける。
『ね、俺とも遊んで?』
ーーーー
そろそろいい時間だからと、ゲームを切り上げ、そろそろ解散しようかと話があがり始めた。
「んー遊んだ遊んだ。」
「お前だけゲーム強すぎねぇか…?」
「私が強いんじゃなくて、坊ちゃんが弱すぎるのよ」
なんて、今にも喧嘩を始めそうな2人を宥める。
『まぁまぁ。もう寝るんでしょ?』
『ならそろそろ部屋に戻らないと。』
すると、少しの間何かを考えていたのか声を発していなかった楓がこんなことを言い出した。
「ねぇ、こんな時間だし、もう使用人さんたちも寝てるわよね?」
『そのはずだけど…どうして?』
「じゃあさ…行くでしょ?」
「行くって何処にだよ…」
「夜の散歩よ!」
「私たちは1人で外に出れないのもそうだけど、こんな時間に外に出たことないでしょ?」
「チャンスは今しかない!」とでも言うように楓は夜の散歩の良さ(?)を力説している。
『そうかもしれないけど、こんな時間に女の子を連れて外に行くのは…』
流石に危なすぎるよ。そう言いかけたが悟と声が被る。
「面白そうだし、別にいいんじゃねぇの?」
『ちょ…悟??』
「もしなんかあったらこのお転婆を俺たちで守ればいいだけの話だろ。」
「だからこの話、乗ってやろうぜ。」
悟もそっち側に着いちゃったか…。
この先、俺がとめたところで話を聞かないことは明白だった。
だったらもう…。
『…あぁもう、どうなっても知らないからね?』
俺ものってやろう。
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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時