25日目 ページ25
先程から姿が見えない楓を探していろんな所を回る。
『楓〜?どこ行っちゃったの…』
いくら仮の許嫁とはいえ、姿が見えないとなるとさすがに心配にもなる。
酔っ払いもチラホラといるため、そんな輩に絡まれてないか心配なのだ。
もう一度近くの部屋から探そう…そう思い振り返るとまたしても感じた小さな衝撃。
『おっと…楓?』
そこには、俺がずっと探していた楓の姿が
「A〜!私頑張ったのよ?褒めて!!」
なんて言ってくる楓の頭をよく分からないまま撫でる。
『えっと…よく頑張りました…?』
面倒な奴に絡まれてた訳では無いようでとりあえず安心した。
『それで?どうしたの?』
俺がそう聞くと少し黙ったあと、真剣な顔でこう言った。
「…五条悟がバルコニーにいるわ」
「まだいると思うから、早く仲直りなりなんなりしてきなさい。」
『え…?』
「言ったでしょう?私は貴方達の仲直りを手伝うって。」
「だから、早く行って。五条悟はきっと貴方の事を待ってるわ。」
『俺は悟に嫌われて…』
「さっきのアイツの反応を見る限り、それは無いから安心なさいな。」
『でも…』
なんて、言い訳を並べて行こうとしない俺に痺れを切らしたらしい楓に背中を押され、バルコニー前まで来てしまった。
「大丈夫よ。それに、もし仮に振られたとしても私が慰めてあげるから…早く行ってあげなさい。」
チラッとバルコニーの方を見ると楓の言う通り、悟らしき人物がいた。
その悟らしき人物は目をゴシゴシと擦り、どうやら泣いているようだった。
それを見た瞬間、その擦る手をとめさせ、慰めなければ…”俺が、傍に居なきゃ。”そんな考えが浮かぶと同時に体が動いた。
『ごめん楓、俺ちょっと行ってくるね』
「…いってらっしゃい。」
そう俺を送り出してくれた楓の声はなんだか寂しそうに聞こえた気がした。
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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時