24日目 ページ24
悟side
5年ぶりに会ったAはとても綺麗で、でも男らしさもある整った顔つきになっていた。
久しぶりに会えて嬉しいはずなのに、何故かAに見つめられた瞬間顔を背けてしまった。
意味の無い話をずっとしていたAの父の指示で俺たちは先に中に入ることになった。
『…俺たちも、行きましょうか』
そう言ったAの表情があまりに怖くて、思わず肩をビクリと揺らした。
あんなAの顔は初めて見た。
「なんで、そんな顔…」
思わず漏れた俺のつぶやきは聞こえていないようだった。
ーーーーー
パーティ擬きももうすぐ終わるという頃、媚びを売ってくる女やクソ野郎共の対応に疲れ、1人になりたくてバルコニーに出た。
バルコニーには先客であろう女がいた。
そんな女に絡まれても面倒だと、仕方なく会場に戻ろうと扉に手をかけた時に声をかけられた。
「…ねぇ、貴方Aとは話した?」
「…は?」
なんで、この女からAの名前が…。
「お前、Aのなんなんだよ」
「私?私はAの許嫁よ」
「いい、なづけ…?」
「そう。」
Aの許嫁、それを聞いた瞬間頭を鈍器で殴られたような錯覚に陥った。
なんで?俺はそんなの聞いてない…。
俺に言う気がなかったのか、それとも会えていなかった5年間の間にできたのかは分からないが、今でもAのことが好きな俺にとっては衝撃が大きかった。
その他にも何か言っていたようだが、先程の話が衝撃的すぎて頭に入ってこなかった。
「…私は先に戻るけど、あんたも風邪ひかないうちに戻りなさいよ〜。」
なんて、軽く手を振りながら、爆弾を落とすだけ落として去っていった女。
女が出ていった扉を見つめその場に立ち竦む。
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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時