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六十二輪目 ページ20

敦side

近くにある病院は限られていて、案外見つけ出すのは簡単だった

深呼吸をして病室のドアを開けると、看護婦さんが居た


「もしかして……花咲さんの彼氏さんですか?」


そう聞かれてはい、と応えると看護婦さんは貴方が…と僕の顔を覗きこんだ


「Aちゃんのこと知ってたんですか?」


「はい…貴方程知ってはいませんけどね」



看護婦さんはふんわり微笑んでからAちゃんのことを話してくれた



この病院に移動になって不安だった時、優しく接してもらったこと


花が好きで、花瓶に生けてある花言葉について話していたこと


よく僕の話を楽しそうに話していたこと


病気が治ったら行きたいデヱトスポットについて考えていたこと


そして…


「花咲さんが病院から脱走したのは私も驚かされました…」


「え…?脱走?」


「はい…本当はいつ倒れてもおかしくないくらいだったのに」




あの日のデヱトにAちゃんが病院を脱走し、無理して行っていたこと



それなのに僕は何も…

そんな僕の心情を察したのか看護婦さんは


「花咲さんが自分の意思で隠したんです。気づかなかったのは当たり前ですよ」


とフォローしてくれた


そしてそうだ、と看護婦さんは引き出しから一冊の白いノートを取りだした


「これ…花咲さんのなんです。読んであげて下さい」


そうやってノートを僕に渡して、看護婦さんは廊下へと消えて行った



気を使ってくれたのかな?


さりげない心遣いに感謝して、ノートの一頁目をめくった

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 中島敦   
作品ジャンル:アニメ
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かなう(プロフ) - コメントありがとうございます。完結させてから随分経っているのにも関わらずにこうして味わって読んでくださってとても嬉しいかぎりです。これからも砂漠のうさぎさんのように思ってもらえるような作品を書くために精進したいと思います。 (2019年12月12日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - また、読み進めるごとに作者さまの表現力も上がっていて、より世界観に浸ることができました。素敵な作品をありがとうございました。長文、乱文失礼しました。 (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - 完結からかなり経った作品のようでしたが読ませて頂きました。花言葉をモチーフにしたお話はベタではありますが、聞き慣れないダイヤモンドリリーという花を選んだ着眼点が好きです。お話の雰囲気も切なすぎず甘すぎずで、丁度良い温度で進む物語だなと感じました (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - かなうさん» そうですね(*´ー`*)調べてみたいと思います笑 (2018年9月23日 23時) (レス) id: 3a874cc5aa (このIDを非表示/違反報告)
かなう(プロフ) - 紅茶さん» それと、紅茶さんや紅茶さんの大切な人の誕生日花を調べてみたりとか、花言葉と触れ合ってみるのも新しい魅力を感じられるのではないでしょうか。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなう | 作成日時:2018年2月9日 21時

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