六十輪目 ページ18
敦side
あの日から僕は探偵社に仕事に行き始めた
無断欠勤を続けていたので少し怖かったけど、国木田さんにはそこまで言われなかった
多分、Aちゃんのことで気を使ってくれたんだろう
他の社員の人たちもAちゃんのことを知っていたが、誰も深追いはしてこなかった
やっぱり良い職場についたなぁとしみじみ思う
今日もいつも通り書類の整理をしていると後ろから名前を呼ばれた
「ねぇ〜敦君、其処にあるふ菓子取って〜」
指を指した先を見ると、たしかにふ菓子が大量に置いてある
分かりました、と言って書類を机に置いてからふ菓子を抱える
乱歩さんの前に置いて立ち去ろうとすると、「ねぇ」と声が掛かった
「Aのあの出来事からどうやって立ち直ったの?」
少し身体がはねたがあの手紙を、Aちゃんを思い出す
「3日後に手紙が届いて……『沢山の人を幸せにして』って言われました」
だから願いを叶えるためにも立ち直らないと、って思ったんだよなぁ
胸に手をあてる
「ふ〜ん……言っておくけど敦くん、彼女は嘘をついてるよ」
「え…?」
頭が真っ白になった
あの手紙の内容が嘘……だった?
頭が全く働かず、なにか答えを求めて乱歩さんの方に振り返る
「その嘘は敦くんが暴いてあげなきゃいけない…何があってもね」
乱歩さんは僕をじっと見つめていた。嘘じゃない
乱歩さんと向き合っていると、後ろの方から呼び出しがあったので
色々聴きたい気持ちをグッと堪え、机に向かった
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かなう(プロフ) - コメントありがとうございます。完結させてから随分経っているのにも関わらずにこうして味わって読んでくださってとても嬉しいかぎりです。これからも砂漠のうさぎさんのように思ってもらえるような作品を書くために精進したいと思います。 (2019年12月12日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - また、読み進めるごとに作者さまの表現力も上がっていて、より世界観に浸ることができました。素敵な作品をありがとうございました。長文、乱文失礼しました。 (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - 完結からかなり経った作品のようでしたが読ませて頂きました。花言葉をモチーフにしたお話はベタではありますが、聞き慣れないダイヤモンドリリーという花を選んだ着眼点が好きです。お話の雰囲気も切なすぎず甘すぎずで、丁度良い温度で進む物語だなと感じました (2019年12月8日 22時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - かなうさん» そうですね(*´ー`*)調べてみたいと思います笑 (2018年9月23日 23時) (レス) id: 3a874cc5aa (このIDを非表示/違反報告)
かなう(プロフ) - 紅茶さん» それと、紅茶さんや紅茶さんの大切な人の誕生日花を調べてみたりとか、花言葉と触れ合ってみるのも新しい魅力を感じられるのではないでしょうか。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: ecc405bdc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなう | 作成日時:2018年2月9日 21時