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side沖田
＿＿＿ドンドンッ！
＿＿＿ドンドンドンッ！
『うるっせぇ！！！』
「どうした総悟！？大丈夫か！？！？」
『うるっせぇよドアホの坂田兄妹！！
ちったァ静かにしやがれ！！！』
「さ、坂田さん？さっきのドンドンって音、坂田さん家からなのか？」
『いつにも増してうるさくしやがって。
ぜってェわざとだろあいつら！』
「総悟、一旦おちつ＿＿＿」
『近藤さん、俺ちょっとアイツらのドタマぶち抜いてきやす。』
どんだけうるさくしたら気が済むんでィ、あいつら。
俺の部屋の壁の向こうは、坂田家になっている。
それをアイツらが知ってるのか知らねェが、
せっかくいい夢みてたってんのに、許さねェ。
.
＿＿＿ピンポーン。
『おい！どういうつもりでィ、オメェら！』
坂田家のドアをガンガンと叩く。
……
ほーう、あんだけうるさくしといて居留守決め込むたァ、いい度胸じゃねェか。
ドアノブを回すと、ガチャリという音がした。
……毎回、不用心過ぎだろィ。
『うるさくした上に居留守決め込みやがっ……て、え？』
ズカズカと入って行った居間には、旦那の姿はなく、
テーブルですやすや眠るAだけ。
開いたままの窓から、少し冷たい風がすうっと吹いてくる。
『おい、起きろ。』
こいつ、酒の匂いがする。
まさか、晩酌でもしてたのか？
いくらあの旦那の妹とはいえ、高校生のこいつが？
『おい、起きねェと鼻フックすんぞ。』
「んー……神威戻ってきたの？」
『は？何言ってんでィ。』
「あれ、神威が沖田になってる〜、なんじゃこりゃ〜！」
あはは、とふ抜けて笑うAの髪は、いつもと違ってすこしウェーブしている。
柔らかそうで、綺麗な髪。
『オメェ、酒飲んでたのかよ。』
「飲んでないよ〜ってさっき言ったじゃ〜ん。」
『聞いてねェし。』
「んー？えへへ。」
こいつ、何も面白いことねェのにニコニコ笑いやがって。なんなんでィ、一体。
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作者名：ニコ | 作成日時：2020年4月3日 10時
