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side神威
『これだからこいつは困るね。』
神楽が、「Aに迷惑かけちゃったアル……」とかなんとか言って、
尋常じゃなく落ち込んでたから事情を聞き出したら、
「Aに彼氏がいる、というデマ情報を流してしまった。」と。
しかも、あのチワワ君?かと思えば別にやつらしいし。
わざわざ様子を見に来たら家に鍵もかけずにテーブルに突っ伏して寝てる。
しかも、耳は真っ赤。
『……これか。』
キッチンの方に目をやれば、かなり中身が減った日本酒の瓶が置いてある。
まだ高校生なのに、お酒なんて飲んでんの?
全く、ロクデモナイ兄妹みたいだ。
『A、大丈夫ー?』
「んー、大丈夫大丈夫ー。」
『そうは見えないけど、本人が言うならきっと大丈夫だね。』
「うん、ぜんっぜん平気〜。あ、神威じゃーん。」
『やっほー、久しぶり。』
いきなり部屋に男が現れたってのに、呑気だなぁ。
相当酔ってるんだね。
『Aはそんなにお酒強くないんだね。
将来酒好きにはなるんだろうなとは思ってたけど、
こんなに早いとは思わなかったよ。』
「私…お酒…飲んでないよぉ〜?」
『ふーん、そうなんだ。
じゃあ何しても、嫌なら抵抗できるね。』
「そうだよ……」
ありゃ、もう眠気の限界みたい。
『……そんなんだから、すぐ狙われちゃうんだよ。』
狙う側も、狙われる側も無意識でね。
『……A?』
「……」
『本当に寝ちゃったみたいだね。
じゃあ、俺もう行くよ。アンタが寝てちゃつまんないし。
まあ、無駄足にはしないけどね。』
ちょうどいい機会にもなるんじゃないかな。
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時