2 ページ2
.
「おー、やってるやってる。」
銀ちゃんの視線の先を見ようと、
ひょこ、と顔を出すと、
「女子テニス部、放課後見学やってまーす!!」
「料理クラブー!毎日美味しい料理食べれるよー!!!!!」
「今〜、私の〜、ねが〜いごとが〜。」
先輩方が必死に部活の勧誘をしてる。
板を持って声を張り上げている人、
実際に部活の内容を披露している人、
そして先輩方の押しにたじたじな新高一……
「そういやお前、何部入るか決めたの?」
んー、まぁ一応色々考えてはみたんだけど……
『帰宅部かなぁ、特に入りたい部活もなさそうだし。』
一応空手をやってはいたんだけど、噂によると魂高空手部は男子しか入れないらしいんだよね。
「は?お前、新入生は初めはなんか部活入んなきゃなんねェんだろ?」
え……
『は?』
「いやだーかーらー、新入生は、初めは___」
『聞こえてるっつの!』
銀ちゃんのメットをばしっと叩く。
「いてッ、いてェよ!今運転中だぞあぶねェだろうが!」
『それより!部活入んなきゃって何!どういうこと!?』
悪態を吐く銀ちゃんを他所に、
今度は銀ちゃんの背中をバシバシ。
「文武両道のためだーとか言って、
初めは全員なんかの部活に入らされんだよ。
俺の時はそうだったけど?」
銀ちゃんは、魂高の卒業生。
剣道で入学して、結構強かった(らしい)。
『なんで先に言ってくんなかったの!!!』
「いや知ってると思って……
うぉ、ちょっ、おい!マジであぶねェって!!」
銀ちゃんの体をつかんでブンブン揺らしていると__
「ちょ、やベェ、死ぬ!!!!!」
キィィィィ、ドタァン。
『____イッタァ……』
「イテェー……
お前、マジおっかなすぎんだよ!!
危うくどっちも死んでたよォ!?
お前に関してはわくわくの入学式が、突然の事故で悲劇に早変わりだよ!?」
校門の前で盛大にこけ、やんややんや騒ぐ私たち(銀ちゃん)は、
他の生徒たちに見られまくり。
なんとか受身をとったけど、やっぱりちょっと擦りむいてるし。
「おォいお前らァ、何やってんだァ。」
メットを取りながら声がする方を振り返ると、
マッカーサー的なサングラス、肩に担いだ竹刀、くわえタバコ……
「げ。」
『まっちゃん……』
.
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時