朝と服と生徒手帳 ページ9
…あー、朝だ、何となく眼を開けなくても分かるし、そんな気がする。
ゴロンと横に転がると何かの気配がした。
…何コレ、オレンジ色の毛？
私の家にそんなんあっ……
「あ、おはよー、センセー」
「……おはよ、う？」
目と前には何とも胡散臭い笑顔の神威さん。
……思い出せ…！思い出すんだ私…！
昨日何した…！風呂入って、テレビ見て……寝ちゃったんだっけか？
…あっ！
「…服！…は着てるか…」
「なんか面白いこと考えてるみたいだけど…何も覚えてないの？」
寝起きかっわいいな、神威さん…
女子として何か負けた気がする…！
くっ…！
「…何も、っていうか…風呂入って、テレビ見て、そっから記憶が無い…」
「…結構覚えてんじゃん…」
「ん？」
何か言ったような気がしたが気のせいだったらしく、はぁー、とわざとらしくため息をつかれた。
「…いや？昨日はあんなに情熱的だったのになぁー？って思っただけだよ？」
「…何っ！？えっ！」
…何があった！？
「あはは、嘘。」
「…朝からびっくりさせないでよー」
かなり驚いた、例えるなら全身の血管が縮んだんじゃないかってほど驚いた。
…こんなサプライズ要らない…！
そんな事を思いながら、ゆっくりと布団から這うようにして起き上がる。
神威が寒いからイヤだとでも言うように私がどかした布団を手繰り寄せているのを眺めながらぼんやりと意識を覚醒させる。
…ちなみに今の状態のまま動くと、何も無いところで転ぶほどの始末になり、使い物にならない。
…少し、少しだけ、気が緩んだのかもしれない。
「…ねぇ、おきないの？」
「昼にはいく。」
「…ふーん」
昼には行くのか…、そうかそうか。
いまだにうまく働かない脳のまま、何かを考えること無く、口だけが動く。
「…ケンカってたのしいよね」
「ん、あぁ、センセーはそうなんだ」
「わたしね、いっぱいこぶんがいたの」
「…へぇ？」
ー神威が面白そうに目を眇めたのには気づきもせずに、ゆっくりと、たどたどしく語り出す。
「つよいつよいっていわれつづけて、とうとうだれも、わたしとケンカしてくれなくなっちゃった」
「…ふーん」
「おかしいでしょ、わたしだって『まけちゃうかも』っておもったあいてだっていくらでもいるのに」
自然と笑いがこみ上げてくる。
たかが、こんなにも非力な女一人が勝ち上がるだけで、誰もが『勝てるわけない』なんて。
「ホント、笑っちゃうよ」
…私の心にとどめた声は、どこか嘲りを含んだ声色で、彼の口から紡がれた。
今と遅刻と警察と。→←布団とお風呂とお約束��(後半、神威視点)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じょうぎ - 楽しく読ませていただいています！更新頑張ってくたさい！ (2020年4月24日 17時) (
レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺１５さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです！なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺１５ - 初コメ失礼します。とっても面白いです！更新がんばってください！応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます！ (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にわとり | 作成日時：2017年12月27日 21時
