旅館と出会いと温泉卓球 ページ31
「さぁー始まりました、銀魂旅館での熱血！温泉卓球！！」
「実況はわたくしAと、」
「解説の神威です、よろしく」
「よろしくお願いします！」
カツーンと高い音を響かせたゴング代わりの牛乳瓶を片手に持ちながら、見よう見まねで解説ごっこをする。
長机には卓球の点数表やグラスに注がれた水、そして予備の卓球の球が置かれており、椅子には温泉に入りたてだったらしき神威さんと入りたての私が座っている。
急に話をふったにもかかわらず動じず解説役になってくれた神威にテンションを上げつつも、向かいにある卓球台に目を向けた。
「お前に負ける訳にはいかないアル！」
「望むところだクソチャイナ」
「……」
両者共に準備万端といった様子で、ラケットを鈍器か何かを持つようにして構えていて、何をする気なのか少し呆然としたが、その不安は圧倒的な恐怖によってかき消された。
そう、隣に座るお兄ちゃん…神威さんである。
…なんで！？お兄ちゃんなら妹の幸福を祈ろ？
前に聞いた時は淡白を装ってたのに君こそよっぽどのシスコンだよね！
声に出す勇気は無いので、黙って口をつぐみながらも神威さんの愛の強さに唖然していると、ニコリと微笑まれた。
「センセー、誰がシスコンだって？」
「ひぇっ」
容姿が整っているうえ、何を考えているのか分からない顔なので、不安感を煽ると言うか恐怖心を掻き立てられるというか……ん？
「あれ、私口に出てた？」
「出てた」
「わお」
おかしいな、と首を傾げると疲れたようにため息をつかれた。
そ、そこまで負担だったの…？言ってくれれば意地でも治すのに…！
軽くショックを受けていると、違う違うと頬をペちペちとたたかれ正気に戻されてしまった。
いつの間にか先程まで漂っていた冷気、もとい神威の怒気は消えており、何処と無く穏やかな雰囲気を醸し出しだしている。
「別にセンセーに疲れた訳じゃ無いから大丈夫だよ」
「本当に大丈夫…？なんかごめんよ、苦労かけて」
「苦労はお互い様なんじゃない？」
「言うじゃんか…」
またしても爽やかに笑いながら痛いところをつかれた…。
まぁ、苦労をかけてかけられるならギブアンドテイクの様な関係だと言えるのではないだろうか。
それはまぁ、
「…嫌じゃないかもねー」
「？」
その頃コートでは…
総「おい、アイツらなんかイチャつき出したぜぇ」
神楽「放っておくネ、ただでさえ薄い恋愛なのに今回もホントにうっすらなんアルから」
総「ほぉー」
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じょうぎ - 楽しく読ませていただいています！更新頑張ってくたさい！ (2020年4月24日 17時) (
レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺１５さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです！なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺１５ - 初コメ失礼します。とっても面白いです！更新がんばってください！応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます！ (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にわとり | 作成日時：2017年12月27日 21時
