町とチャイナと真選組�� ページ28
おてて離したいんですけど、どうしましょう。
現在…私達は神楽ちゃん達の尾行をしています。
隣を歩くピリピリとした空気を醸し出している神威を見上げながら恐る恐る口を開いた。
「あ、あのね神威さん、学生が修学旅行でデートだなんて極々一般的な事でしょ？神楽ちゃんだって花の乙女なんだよ！妹の幸せを心から祝福するのがお兄ちゃんなんじゃないかなって先生思うんだけどねぇだから一刻も早くここから離れようそうしましょうかはいはい早くこっ…」
「…センセー」
「ひぃ！」
「妹を害虫から守ってやるのもお兄ちゃんなんだよ」
「あ、はぁい」
もうダメだ…神威さん怖ぎるんだよ…。
笑顔であの傘突き付けてくる神威さんに恐怖しかないよ、私も同じ傘持ってなかったらおてての骨がバッキバキだよ…。
ごめんね神楽ちゃん…先生は君のお兄ちゃんのシスコンっぷりに恐怖しているんだよ…せっかくのデートだろうに…うぅ…。
己の不甲斐なさを嘆きながらも、物陰に隠れながらこそりと覗き見る。
小突き会ったりして入るものの2人とも楽しそうに笑いあっていた。
が、例によってそれを見たお兄様はご立腹です。
背後から聞こえてくる舌打ちと前から聞こえる笑い声に押しつぶされそうなのは私の心が繊細なだけでは無いはずだ。
ついには歯ぎしりまで始めそうなので、後ろにいる神威を振り返り腕を抱き寄せた。
「ね、神威が楽しい事やらないと損じゃないかな」
「……まあ、うん」
「せっかく来たんだから出来れば楽しんで貰いたいんだよ、神楽ちゃんだって神威に見られるの嫌じゃない？」
「………ん」
「気楽に行こう？ねぇ？」
「…センセーに諭されるとなんか屈辱的だなぁ」
「おい」
苦笑いをしながら頬をかく神威の肩を軽く叩いてみる。
まあ、神楽ちゃんのデートを邪魔せずにすんでよかったなー…私の心も守られたし！
「取り敢えず木刀とトンファーとヌンチャクどれ買う？」
「まさかの3択」
「私的にはトンファーがオススメ」
にこりと笑いながら番傘を持っていない方の手でトンファーをぶんぶん振り回した。
因みに私も神威も基本的に喧嘩は素手でやる派だが、こういうのはロマンだと思って買うしかない気がする。
まあ、そういうもんだよね。
ちらりと神威を横目で見るとトンファーと番傘を振り比べていた。
…あ。
「か、むいさん、一応確認なんだけど…」
「ん？」
「番傘持って帰る気だよね！」
半泣きで聞くと、何とも爽やかな笑顔でサムズアップされた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じょうぎ - 楽しく読ませていただいています！更新頑張ってくたさい！ (2020年4月24日 17時) (
レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺１５さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです！なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺１５ - 初コメ失礼します。とっても面白いです！更新がんばってください！応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます！ (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にわとり | 作成日時：2017年12月27日 21時
