教師になったらヤンキー校配属になりました。

解けた誤解と他校生 ページ14

「あー、分かってねぇけどそういう関係じゃねぇのは分かったから、落ち着け」

「…犯罪なんて犯してない…！」
「…カツアゲ…」
「もう一度投げ飛ばしてあげようか…！」

神威に馬乗りになりながら、必死で弁明した結果、分かってくれたらしく、ホッとする。

…何が妄言が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。

「本当に良かったぁー、このままじゃ男子生徒に襲われそうになったって騒がなきゃいけなくなるとこだった」

「…さらっと不吉なこと言うのやめろよ」
「…最終手段だよ…！」

もはや守るものは職だけだ！

…というのはただの冗談だが、分かってくれて本当に良かった…！

「…センセー、そろそろ下りてくんない？」
「あ、ごめん、今おり…」
「センセー意外と重いよね」
「…」

無言で先程よりも、体重をかけてもう一度座り直す。

それを黙ったまま見ていた男子生徒…総悟は口をつぐんだまま、手を合わせていた。
…目は笑っていたのは、気のせいじゃないはずだった…
なかなかいい性格してるなぁ…

南無三！

「…それはともかく、もう学校行かなきゃ」
「あ、俺は多少遅れても大丈夫でさぁ」
「ん？何で」

思わず聞き返すと、総悟は、神威とはまた違った笑顔でニタァ…と笑った。

「風紀委員の仕事で遅れたって言えば多少はセーフだぜ？」
「お前も投げ飛ばしてやろうか！」

…よくもまぁ、教師の前でそんなことが言えるのか…！

…あ、昔は私も先生にサボる宣言してサボったなぁー！
懐かし……、ダメじゃん！

……ど、どこにもいるもんだなぁー！

「センセー、さすがにもう無理」
「まだ言うかっ！」
「うそうそ、軽いって」
「……」

にっこりと笑った顔は、いつもと同じ胡散臭い笑顔だったが、なんだろう、こう……！

ゆっくりと立ち上がり、神威達に背を向けてしゃがみこむ。

顔をおおった手が熱い。

…恥ずかしっ！よくあんな言えるなっ！

…しばらくバタバタした後、また少しずつ腰を上げ、何事も無かったかのようにスタスタと戻る。

「…よし！行こう！」
「……」
「……」

結局、二人ともそれぞれの学校に着くまで、終始無言だった…。

…ときどき目が合ったが、可愛そうな人を見るような目で、顔をそらされた…。

…やめて…？私を可愛そうな目で見ないで…！？


ーーーーーーーーー

ー神威と総悟の心の会話ー

総(やべぇ、どう突っ込んでいいか分かんねぇ…)

神(大丈夫、センセーいつもこんなんだから。)

総(保護者…！夜兎校番長が保護者…！)

アイコンタクトで話す二人…

〜その頃の先生〜

「…そんな目で見なくても…！」

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