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あらきさんに連れられて、助手席に乗った。
あ「ごめん。急ぎで行くから酔っちゃったらほんとにごめんね」
と、車を飛ばすあらきさん。
最初は運転するあらきさんかっこいいなぁとか思ってた。でも時間が経つにつれ、今から向かう先が何となくわかってしまった。
.....前居た家だ。戻ったとしても家族はもう居ないし、妹は病院。.....私、用済みだったのかな。これからどうしよう。
『.......』
あ「...あのさ」
『あっ...はいっ、』
あ「気づいてるとは思うけど、今からAの家に行きます。」
『.....はい。』
あ「それで聞きたいことがあって。Aは家残りたい?」
.....どっちの家だろう。私にとってはもう3人の家が家みたいなものだと思っていた。あらきさんたちからしたら違うのだろうか。
『.....分かんない、です。』
あ「.....そっか。」
そのまま会話が止まってしまった。.....どうしよう。なんとかして会話を繋げなきゃ...気まずくてどうしようもない。
『.....でも、』
あ「でも?」
『結城の家にいるより、あらきさんたちの家の方が何百倍も楽しいです。』
あ「.....!!なら良かった。」
と、優しく微笑むあらきさんに安心してしまって、車の中で寝てしまった。
あらきさんたちの家に行くまではあんなに心地悪かったのに、今は眠ってしまうほど気持ちく感じてしまうなんて来る時は思ってもいなかった。
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作者名:ねこみや | 作成日時:2023年12月25日 20時