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私と妹を引き取ってくれたのは親戚でもなんでもない赤の他人だった。
まだ妹は病院にいて、私にはお金が必要だった。
「お金が必要なんでしょう?Aちゃん家事が得意って言ってたし、家事代行なんてどうかしら」
正直自分で探すのもピンと来なくて、向こうから言ってくれるのはありがたかった。
『……やってみます。』
「急いで決めなくてもいいのよ?」
『家事得意ですし、大丈夫です!私にピッタリだと思いますし。』
「そう、なら連絡しておくわね。」
私を引き取ることになってからずっと機嫌が悪かったくせに、今日は妙に上機嫌だな。まぁ、いいか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
家事代行前日。
「家事代行は住み込みってこと伝えたわよね?」
『え…い、いえ、聞いてない……です、』
こいつ…わざと言わなかったな。私を追い出すために。
どうしよう、妹がまだ病院にいるのに。ここを出るわけには行かない。
「あら私ったら、ごめんなさいね。」
『こ、困ります…!』
「一応荷物はまとめて置いてあるから、そこから取捨選択するといいわ。」
準備が良すぎて気持ち悪く思う。
この現実に受け止めきれずそれ以上考えることをやめた。
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作者名:ねこみや | 作成日時:2023年12月25日 20時