39.仲直りと猫 ページ39
八十八橋の事件も解決して数日____
あれから僕と悠仁は気まずい関係になっていた。
夜中に宿儺が押しかけてくるけど、悠仁に戻ればすぐに帰ってしまう。
宿儺「おい小僧。
いい加減Aと仲直りせんか、俺まで気まずいだろう」
悠仁「……うるせぇよ」
教室の窓際で何か言い争ってるのが聞こえた。
野薔薇「宿儺のやつ、普通に出てくるようになったわね」
恵「反対に虎杖は口数が減ったか?」
野薔薇「あー……、この前の任務でAに色々やらかしたのよ」
恵「は?それ俺聞いてないんだが」
それを遠巻きに見ながら話す同級生。
順平「虎杖君、元気なさそうだね」
A『……そうだね』
順平「A君もずっと笑えてないけど大丈夫……?」
A『僕は平気。今日はもう帰るね』
心配してくれる順平には悪いと思いつつ。
僕は一足先に教室を出た。
どうせ帰る場所なんて同じ寮なんだから急ぐ必要なんてないのに。
A『悠仁に気にされると僕まで気になってくるじゃん……』
自分の部屋に戻ってベッドにダイブする。
仰向けで寝転がっていると色々なことを思い出してしまう。
A『悠仁にとっては真人も祓うべき呪いなんだろうな。
僕にとっては……大切な人なのに』
僕は皆んなが知らない呪霊たちの一面を知っている。
可愛かったり、お茶目だったり。意外と抜けてたり優しかったり。
皆んな自由に生きられる居場所が欲しいだけなんだ。
そう考えていると、ドアをノックする音が聞こえ__
悠仁「__なぁ、Aいるか?少し話したいんだ」
A『悠仁……?入ってきてもいいよ』
そう言えば悠仁は無言で部屋に入ってきた。僕を見つめてくると__
悠仁「この前のこと、謝りたくて。俺……Aに酷いこと言ったから」
A『それならもういいって』
悠仁「よくない__!
だって、俺が言った時……A、すごく悲しそうな顔してた」
悠仁にそう言われてハッとする、やっぱり僕は気にしてたのかな。
悠仁「俺、本当にAが呪いの家系だってこと忘れてた。
それくらいAといると楽しくて……俺自身、宿儺の器だってこと忘れてしまうくらい」
A『それなら、これからも仲良くしてくれる?』
悠仁「おう!」
次に返事をしたら悠仁はいつも通り笑顔ではにかんでみせた。
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年5月7日 20時