29．モグラと猫 ページ29
他の3人とも合流し峡谷を進む。
少し歩いたところ、橋の下に小さな小川を見つけた。
恵「おそらく、ここを渡れば呪霊の結界内に入る。お前ら気を抜くなよ＿＿！」
恵の掛け声に合わせ、せーので川を跨げば＿＿
モグラ？「ナァァァァ＿＿＿＿」
悠仁「出たな！」
野薔薇「祓いがいがありそうね！」
A『何だかモグラっぽい？』
周囲の景色が変わり、深い地底のような領域に出る。
そこはモグラのような呪霊が縦横無尽に移動をしていた。
日本中に呪いを振りまいているせいか、本体の呪いは弱そう。
順平「あまり強くなさそうだね」
恵「そうだな、これなら早い内に祓える……！」
恵が自分の影から剣の呪具を取り出し構える。
僕も叢雲剣を召喚しようとしたら＿＿
？「＿＿あ？？なんだぁ？先客かぁ？」
背後から聞こえる見知らぬ声。
全員が振り向けば、そこには全身緑で顔面から血を流す異形の化け物がいた。
見た目や呪力からは呪霊のように見えるけど＿＿
A『これは……』
？「ん？なんだぁお前……なんか懐かしい感じがするなぁ？？」
順平「ちょっ、A君に近寄るなよ……！」
皆んなが思わず固まっていると、緑の化け物は僕の周りをぐるぐる回り出す。
なんて声をかけようか迷っていると。
悠仁「伏黒、こいつ別件だよな？」
恵「……あぁ」
悠仁「じゃあお前らはそっち集中してろ。
＿＿＿＿コイツは俺が祓う！！」
悠仁が拳に呪力を込め戦闘態勢に入った。
自分に向けられる殺気を感じてか、緑の化け物も悠仁の方へ振り向き＿＿
？「なんだぁ？遊んでくれるのかぁ？」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
緑の化け物は口を膨らませると大量の血を吐き出す。
血が当たった場所からは強い腐食のような反応が見られた。
A『(あれに触れるのは危なそう。
一応、僕の��崩壊��を悠仁に移せるようにしておこう)』
悠仁は軽い身のこなしで血を避け、反撃を食らわせていた。
交流会でだいぶ成長したのか特級ともいえる相手に立ち向かえている。
しばらくは大丈夫そうだから僕は目の前のモグラ呪霊に集中することにした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
