八 本当は。 ページ10
「それだけだよ。」
そう力強く言い放った彼女からは、誰にも曲げられない、強い強い意志を感じた。
「他に聞きたいことは?」
「どうして、こんなに沢山話してくれたんですか。」
「君が話してと頼んだんでしょ。
それに、話せばもう二度と関わらなくていいと思ったから。」
「それじゃ、東雲さんは龍に関係しないことが日向さんへの償いだと
そう思ったんですか?」
「償いじゃない。約束。いや、誓いだよ。」
「…私はそうは思いません。
日向さんは、東雲さんに自分のやりたいことをやって欲しいと伝えたかったのではないでしょうか。」
東雲さんの肩がぴくりと震える。
「東雲さんは日向さんが居なければ龍に関わることは無かった。
いえ、そもそも生きてもいなかったかもしれません。
だからこそ、あなたは彼女が死んだ今でも
今いない彼女の存在に縛り付けられています。
でも本当は、日向さんは貴方が世間から隠れて自分と二人きりでやりたいこともできずに縛られて生きているのが許せなかったのではないでしょうか。」
「そんな…」
「本当の東雲さんはどうしたいんですか?」
「…龍を狩りたい。葵の為にも。…いや、自分のために。」
「貴方が本当にそう思うならそれでいいんじゃないでしょうか。東雲さんはスタイルがきれいですし、肉付きもいい。
暁龍狩り団に入る気はありませんか?」
「…悪いけど、そのつもりはないよ。」
東雲さんは硬い表情をしたまま、もうぴくりとも動かなかった。
「そうですね。すみませんでした。
帰ります。」
そう言って私は東雲さんに一礼し、部屋を出た。
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夏巻(プロフ) - ぬーん|´-`)vさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて、とても嬉しいです!!ぬーんさんの期待にこたえられるようにこれからも頑張らせていただきます! (2020年7月29日 8時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん|´-`)v(プロフ) - コメント失礼します!とっても面白いです…!!文学青二才だなんて、全然そんな事ないです!視点の移り変わりもちゃんと分かりますし、文章もしっかりしていて凄いと思いました。更新楽しみにしてますので、作者さんのペースで頑張ってください! (2020年7月28日 22時) (レス) id: 866fa73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!続きも頑張ります! (2020年6月29日 5時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 凄く面白かったです!続きが楽しみです! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 81088dc977 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - uikisさん» わああ!応援ありがとうございます!是非とも頑張らせて頂きますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏巻 | 作成日時:2020年6月21日 16時