二 突然 ページ4
「どうして嫌いなんですか?」
突然現れたその少女は、異様なジャンプ力で私を飛び越えて小龍の前に立つと
腰に挿していたいた二本の剣をさやから抜き、龍に向けて構えた。
それは一瞬の出来事だった。
気が付くと、私の足元には血塗れになった小龍の頭と思わしきものが転がっていた。
全くもって突然の出来事だったため、放心してその頭を見つめていると、少女が龍の残骸を抱えて、腰に下げている袋に詰めた。
我に返った私は、その少女に少し会釈をして、足早にその場を立ち去ろうとした。
きっと龍狩りの学生だろう。関わるつもりは微塵もない。
「あの!」
「…何か?」
颯爽と立ち去ろうとした私を、鈴を転がすような可愛らしい声をした少女が引き留めた。
「そのペンダント、一体どこで?」
少女は私の首から下げている石を指さして途切れ途切れに聞いてくる。
「君に教える義務がある?」
そう言うと、少女は少し失望したような顔をする。
「い、いえ。すみませんでした」
ぺこりと頭を下げると、そのまま彼女は袋を担いで走っていった。
やっと家路につける。そう思って私も一歩足を踏み出した。
すると、
「も、もしかしてそれ…!龍狩りの方からもらった物ですか!」
また背後から無垢な質問が返っきた。
「しつこい。」
私が睨みつけると、少女は我に返ったのか急いで口に手を当てる。
その一切悪気のなさそうな、汚れ無き童顔を見つめていると
私の口からは思いもよらない言葉が零れ出てしまった。
「そんなに知りたいなら、うちに来なよ。」
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夏巻(プロフ) - ぬーん|´-`)vさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて、とても嬉しいです!!ぬーんさんの期待にこたえられるようにこれからも頑張らせていただきます! (2020年7月29日 8時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん|´-`)v(プロフ) - コメント失礼します!とっても面白いです…!!文学青二才だなんて、全然そんな事ないです!視点の移り変わりもちゃんと分かりますし、文章もしっかりしていて凄いと思いました。更新楽しみにしてますので、作者さんのペースで頑張ってください! (2020年7月28日 22時) (レス) id: 866fa73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!続きも頑張ります! (2020年6月29日 5時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 凄く面白かったです!続きが楽しみです! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 81088dc977 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - uikisさん» わああ!応援ありがとうございます!是非とも頑張らせて頂きますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏巻 | 作成日時:2020年6月21日 16時