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十三話 ページ15

「……あれ、ここ…」


気がついたのはどこか暗い世界。


あれ、まさか……


私、死んだ…?


『死んではないよ。』


「え!?誰!?」


姿は何処にもない、だけど何故か頭の中で声がする。


テレパシーって奴だろうか。


『君は死と生の間にいる。まぁ、生きるか死ぬか選べる訳だけど、あるものを見せるよ。』


急に周りが白くなった。


そう思ったらどうやら違うらしい。


「…これ、幽体離脱?」


白く見えたのはそこが病院だったから。


そのベッドの上には…


「私…?」


その周りにはバスケ部メンバーがいた。


みんな泣いている。


『そりゃそうさ。あの事件からかなりたってる。それに君は植物人間。』


そ、そうなんだ…


『で、君に選ばせよう。生きるか死ぬか。…もし、生きるとしたらきっと様々な困難が起こるだろう。周りをまきこんで誰かが怪我をするかもしれない。死んだらそんなのは一切ないが、もう二度と会えない。』


「……生きたい。」


『本当に?』


何を言われても、私の決意は変わらない。


「……私は、みんなを信じたい。それに、私にはやる事がある。どんな困難にも立ち向かいたい。」


『…了解。君をあそこに連れていくよ。』


気づいたら、視界は真っ暗になっていた。


そして再び目が覚めると……


…あれ。


「誰もいない…?」


どういう事なのだろうか…


ふと、気がつく。


右手があったかい…


下を見ると人がいた。


それも信じられない人。


「……水戸部くん…?」


彼はすやすやと寝ていた。


彼を起こさないように手をどけて、棚の上にあったスマホを見る。


そして驚いた。


………嘘、もう三月…?


本当に、かなりの月日がたっていたようだ。


私はスマホを置いて、座ると同時に、水戸部くんが目覚めた。


「………………………嘘。」



長い沈黙の後、久しぶりに聞いた水戸部くんの声。


何故か、すごく安心する。


「おはよう。水戸部くん。」


「……お、はよ…、雨ちゃ……」


水戸部くんが腰に抱きついてきた。


私は頭を撫でる。


「ごめんね。心配させて。」


「…」


水戸部くんが首をふる。


「………水戸部くん。」


私は、ずっと気になってた事を言うことにした。


「水戸部くんって、自分の声、嫌い?」


水戸部くんの瞳が、揺れた。


「………昔からね。俺の声がアニメ声だとからかわれることが多くて、そして俺は喋ることを辞めたんだ。」


「え、そうなの?」

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設定タグ:黒バス , 水戸部 , 誠凛   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ゆうにゃん | 作成日時:2016年8月20日 11時

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