キラキラとまぶしいね、君は 2 ｢影山飛雄｣ (ページ31)

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この曲のメロディーが流れだしたら、観客は騒がり出した。

やっぱり、この曲にして良かった。
飛雄は多分この曲知らないと思うけど。

俺は歌いながら体育館を見回して、飛雄を探す。

どこだ、どこにいる。

曲の2番くらいになり、ギャラリーの上でじっと俺の事を見ている飛雄を見つけた。

よかった、来てくれた、、嬉しい。

そう思い歌いながら、飛雄のことを考える。

飛雄に出会えてよかった。

俺はこれからも飛雄との未来を描きたいし、それを叶えていきたい。

それは飛雄じゃなきゃダメだ。

｢好き｣

今まで言えなかった言葉を今、飛雄に伝えたい。

来年も再来年も飛雄のことが好きで好きで。
この言葉は俺しか言えない言葉だし、飛雄にしか言いたくない。

飛雄に届けたい。

曲の終盤。

ラスサビに入る前の歌のところで俺は飛雄のことを見つめる。
ステージから遠いけど、飛雄と目が合ってる気がした。

やばい、緊張する。

でも決めたんだ。
伝えるって、俺の気持ち全部伝えるって。

この曲は、、飛雄のために歌ってるって。

俺は目をつぶり、ラスサビを迎える。

ラスサビを迎えた瞬間、目を開き、笑顔で手を挙げて歌い出した。

珍しい俺の行動に周りは叫び出す。

そして、飛雄のことを指さした。
体ごと飛雄の方面を向き、笑顔で歌った。

その行動に今度は仲間たちが驚いた。
驚きながらもチラチラと俺を見ながら、楽器を演奏し続ける。

早乙女は、俺の行動を見たあと面白そうに、嬉しそうに笑いながら演奏している。

｢これは負けるわ｣と思うような笑顔で。