【センラ】ぷらとにっく/來夏_raika ページ43
毎日通学途中で見かけるあの子｡
伏せられた瞳に長い睫毛、桜色の唇。
いつも嬉しそうにイヤホンを耳に当て、
何かを聴いている。
制服から見るに有名なお嬢様学校の生徒らしく長袖の膝上丈のセーラー服を着ていて､
その胸元には淡いグレーのリボンが付いている。
見た目だけじゃなくて声も可愛いんやろうなぁ
なんて思いながらその子の前を通り過ぎる毎日だった、昨日までは。
いつも通り彼女と話すこと無く、一日が過ぎていくのだと思っていたのに。
「あの、ハンカチを落とされませんでしたか？」
僕の方に触れる手の感触に振り返ると、
遠目から見つめるだけだった君がいた。
手には紺色のタータンチェックのハンカチ。
それは間違いなく僕の物で､拾ってくれた事に感謝しつつそれを受け取る。
はにかむ彼女がやけに魅力的に見えて、
もっと君と話していたくて。
「あのさ、メルアド交換しいひん？」
なんてナンパにも聞こえるような台詞を吐いた。
それが、僕らの出会い。
その日から、少しずつではあったが
僕らの距離は近づいていった。
彼女と出会ってから三年目の冬、
適当に入ったカフェで話をしていた時だった。
「センラくんはさ、何処の大学に行くの？」
「んー、○○大学にしよかな…」
「そっか、じゃあまた離れちゃうね。」
彼女は少し寂しそうに微笑んでそう言った。
彼女の学校は中高一貫校だったから
僕とは中学高校共に別々で、
更に大学まで離れてしまう以上､今まで以上に会える機会が減る。
「そうやね｡でもさ、その、あれやろ｡」
そう言ってから、続けようとするもうまく言葉が出てこない｡
数秒間黙った後僕はやっとの思いで言葉を紡ぐ
「なぁ、僕と付き合ってくれん？
距離は離れても、僕はずっとAの事だけが好きやから。」
そう言ってから照れているのを誤魔化すように
温くなった珈琲を飲む。
彼女は大きな目を見開いた後に、
「うん、付き合おっか。」
そう言って嬉しそうにはにかんだ姿を､
僕はきっと忘れない。
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あゆ(プロフ) - どのお話も切なくて、思わず1話読み終わる事に泣いてました…w最高でした！ありがとうございます…(´；ω；｀) (2019年7月25日 21時) (
レス) id: e76134e0bd (このIDを非表示/違反報告)
夏々 - まふくん……悲しすぎる(；_；) (2018年11月22日 23時) (レス) id: ca7b93074f (このIDを非表示/違反報告)
かのこゆり - かのこゆりです！天使病のお話を書かせていただきました。お褒めの言葉、ありがとうございます！緊張していたのもあり、正直あまり自信がなかったのですが、そういっていただけて嬉しいです。読んでくださり、本当にありがとうございました！ (2018年11月22日 4時) (レス) id: 459f75f8c6 (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - ぬこさん» 坂田さんの小説の作者、seraです。私の書いたものが良かった、と書いてくださったのでコメント返しさせて頂きます。そう言ってくださりありがとうございます。これからも私含め、他の作者様のこと、応援よろしくお願い致します！ (2018年11月21日 21時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 凄く感動しました。特に、坂田さんの入院(?)のやつと、まふまふさんの天使病のやつです。めっちゃ泣きました！これからも頑張ってください! (2018年11月21日 21時) (レス) id: 4fbcbbbe7e (このIDを非表示/違反報告)
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