『クラピカ逆トリしてこないかなー…』『俺はイルミが良いなー』クラ「…此処は何処だ？」イル「……君達、誰？」『『えええええ！！？』』

24話　乙女チックガールで、不安。 ページ24

朝になっていた。


朝食を作っていると、クラピカとイルミが来た。


空気が重い。


朝食を作り終え、二人に渡したところで
不意に、ぱたぱたと足音がした。

足音の主であるナナは、
私達の居る部屋をスルーして
そのまま学校に行ってしまったようで。

………日直だって言ってたからだろうか。


でも、いつもは必ず食べて、
“さすが琥珀！”って言ってくれる。
あの、優しい、元気な笑顔で。


寂しい、という気持ちと、
ご飯を抜いて大丈夫だろうか、という不安が
琥珀を取り巻く。


じわり、と何かが込み上げてくる感覚を覚えた。

涙が溢れ出す。


「…ッ………」


二人に涙が見えないようにうつ向いた。


だけど、やはり二人は気付いてるようで。

イルミは朝食を食べ終えると、
琥珀の淹れたコーヒーを飲み出した。


クラピカは不意に立ち上がると、
優しく琥珀の頭を撫でた。

驚き硬直する琥珀。

「……泣きたいのなら……我慢する必要など無い」

その声はどこまでも優しく、安心する。

すると琥珀は大丈夫と言わんばかりに
顔を上げ、涙を拭い、優しい笑顔を見せた。


「ありがとう、クラピカ」

「…どうという事はない」

ふわ、と微笑むクラピカ。

その後私は、
すっかり忘れていた食器洗いを始めた。←


洗い物が終わった頃。

イルミがぽつりと呟いた。

「………学校は？」


その言葉を聞き、目を見開いた琥珀の表情は、
どんどん蒼白になっていく。


「………あぁぁぁ！忘れてたっ！

二人共ごめん留守番よろしく行ってきます！」←

一息に言うと、琥珀は急いで家を出た。


家を出た直後に慌てすぎで転んでしまったのは…
琥珀だけの秘密という事にしておこうか。

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