『クラピカ逆トリしてこないかなー…』『俺はイルミが良いなー』クラ「…此処は何処だ？」イル「……君達、誰？」『『えええええ！！？』』

19話　 男勝りガールで、事故発生。 ページ19

ジクジク、ズキンズキン。
嗚呼、痛いけど、痛くない。

「クラピカは、いいのか？…その、俺……なんかの部屋で…」

しどろもどろになりながら聞いてみる。
時を一際長く感じる今日は、間違いなく変な日だ。

「……琥珀とイルミが決める事だ。私は泊めてもらっている身分で何も口出しは出来ないからな」

「……イルミは、俺の部屋には来ないよ」

「どうしてそう言える？」

溶けかけのアイスを食べるが、バニラの味はまったくなかった。

クラピカの目線が痛い。

「わかんねぇよ、でもイルミは来ないって思った」

目頭が熱いよ……

下を向いた俺の手からするりと抜けたアイスが床にこぼれた。

「っあ………アイスが！」

「あ……ちょ、拭かないとベタベタになるッ!!」

ベッドに座っていた俺が勢い良く立ち上がった時、クラピカも同時に立ち上がった。

”ﾄﾞﾝｯ”

クラピカが座っていたソファーがナナの漫画棚を押し、棚がぐらりと揺れた。
棚は高くないが、大量の漫画がなだれのようにクラピカに襲いかかった。


「危ないッ!!」

「!!」

クラピカの手を引いたナナ。
クラピカの体はバランスを崩して、ナナの上に倒れ込んだ。

その時だった。

「………………ッ…え？」

「…………あ…///」

クラピカの唇が、ナナの唇に触れた。

「え、クラピカッ…………」

「す、済まないッ、足が本に挟まって動けないんだ！///」

つまり、今、俺はクラピカに押し倒されている？
回転しない頭。

近づいてくる足音。

開いたドアの前に立っていたのは


「ナナ、大丈………」

「…琥珀ッ、と………イルミ？」


赤い目で驚いた顔をした琥珀と風呂あがりでタオルを被ったイルミだった＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿

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