刺突 ページ45
星の呼吸 玖ノ型
自分を軸として、僅かな万物の変化を捉え、全方向の物体を識覚する技
「よし、やるっきゃねぇ。Aさんを援護するぞ」
「ムッ!」
玄弥と禰豆子は彼女を守るように構え直す。
刻々と体が回復していく鬼達。
ー攻撃が来るー
1番早くに復活したのは
「余計な事をするでない小娘ぇー!!」
グシャッ
一瞬のうちに禰豆子が懐に潜り込み、鬼の腕を蹴り落とした。
他の鬼達もまた同様にAを執拗に狙うが、その度に玄弥と禰豆子が彼女への攻撃の手を阻む。
しかし、攻撃を与えては受けの繰り返し。決定的な打撃はやはり与えられない。
ー早く見つけなければ..禰豆子達がもたないー
Aは識覚の範囲を徐々に広げていく。
この建物内には、本体の気配は見つからない。
牛宮の方向、約一町先に炭治郎ともう一匹が交戦している。
無一郎君はどこまで飛ばされたのだろう。彼が戻れないという事は、新手の鬼がいる可能性も否定出来ない。
冷や汗が滴り落ちる。この型が最も神経を酷使する。呼吸が乱れてくる。
この鬼は...
ー先入観は捨てろ。姿見も大きさだって同じとも限らないのだからー
可楽と禰豆子、哀絶と玄弥が交戦し、一瞬Aの近くがガラ空きとなった。
しめたとばかりに積怒は錫杖を掲げる。
恐らく血鬼術で放つ雷撃は彼女には通用しないだろう。
だが、物理攻撃なら、いくら人間離れした異能の持ち主であろうとも、滅びゆく肉体である限り致命傷は与えられる。
「死に腐れるがいいっ!」
錫杖の先がAの頚に迫りゆく
禰豆子はその様子を見て大きく目を見開いた。
竹筒を噛んでいる口を開き、何かを叫ぼうとするが..
「よそ見するでないぞ娘ェ!!」
「っーー!」
「見えた」
キィィンと甲高く響く金属音。
間一髪Aは積怒の錫杖を刀ではね返し、そのまま頭の上から真っ二つに切り裂いた。
「っーーあぁぁぁ!灼けるぅっおのれ、おのれー!」
怒り狂ったように積怒が怒声をあげる中、Aは禰豆子と玄弥を垣間見て眉間に皺を寄せた。
おびただしい血を流している。
「二人ともありがとう、お陰で本体を見つけっ...」
Aが玖ノ型の力を解いた瞬間だった。
哀絶の槍が、彼女の横腹を切り裂き血飛沫が舞い上がった。
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八千代(プロフ) - あーちゃんさん» コメントありがとうございます!頑張って更新しますので宜しくお願いします(*´-`) (2020年6月9日 13時) (レス) id: 5c1b6b975d (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - すごい面白いです!これからも頑張ってください(*´∀`) (2020年6月8日 20時) (レス) id: 20ef85385a (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 果鈴さん» ありがとうございます(*´-`)!かしこまりました。無一郎が夢主を好きな理由については少し語らせていただきますので、少々お待ち下さいね。 (2020年6月4日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
果鈴(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白かったです!1つ思ったんですが、無一郎君が夢主を好きなのって、日寄さんの過去と同じようにしてるからですか?(語彙力無くてすみません) (2020年6月4日 6時) (レス) id: 71e0ecb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - みかやしさん» コメントありがとうございます!いやいやそんな大そうな文は書けてません(汗)でも、嬉しいですありがとうございます(*´-`) 頑張って更新しますね! (2020年5月24日 7時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年5月12日 19時