Torenia Fournieri -2-

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『……俺らってさ、』




「…うん、」




『考えが似てるね。』




「…思った (笑)」




もしも幼馴染じゃなかったら･･･




今日、この瞬間までに、何度考えたか。




普通に出逢っていたら、こんな風に気持ちに蓋をすることはなかった。




物心ついた時から家族のような存在で、気付いた時にはもう伝えられなくて。




気まずくなるくらいなら、離れてしまうくらいなら、このままでいい。




それなら、1番欲しい幸せよりも･･･




失いたくない幸せを選ぼうと思った。




『……あぁ、後悔だわ…』




「えっ、なんで…」




バッと俺から離れると、泣きそうな目で俺を見上げてくるA。




『っ、いや、違う！』




「……。」




『違うんだって……Aとこうなれたことはもちろん幸せだよ？でも…』




「……。」




『もっと早く伝えてたら、って欲が出てきたっていうか……うん、それだけだから！』




あぁもう、マジで俺バカ。




言葉足らずだって昔から母ちゃんにうるさく言われてたの、ちゃんと聞いとくんだった･･･




「……大丈夫だよ？」




『え？』




「だってさっき、ニカちゃん言ったじゃん。私達の考えることは同じなんでしょ？」




『……うん、』




「そうゆうことだよ？」




『…そうゆうこと？』




「うん。」




･････いや、どうゆうこと？




全然分かんないんだけど！




「あははっ、ニカちゃんってすぐ顔に出るよね？可愛いなぁもう…」




『は？…可愛いとか嬉しくないし、』




「もっと早くに気持ちを伝えてたらお互いに苦しまずに済んだのになって…」




『……あ、』




「同じこと考えてた。」




『俺らすごくない？マジで以心伝心 (笑)』




「当たり前でしょ、伊達に16年間幼馴染やってないんだからね？」




そう言って、得意気に笑うA。




『…あれ、……ってことは？』




「え？」




『幼馴染じゃなくて、彼女？』




「……幼馴染じゃなくて…彼氏？」




お互いを指差して。




･････なんの確認だこれ。




『やだよ俺、幼馴染やめたくない。』




「そんなの私も…」




『じゃあさ、幼馴染 兼恋人で良くない？』




「長っ！」




『んははっ(笑)』




両想いだって分かったのに、俺達の間に流れる空気は前とほとんど変わんないし･･･




恋人って肩書きに慣れるまで、お互いにまだまだ時間がかかるんだろうな、と思う。








ーfinー

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