Torenia Fournieri -2-

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高校に入っても、それは変わらなかった。




家に帰れば、Aと話せる。




きっとAは、遠回しに 幼馴染という関係から卒業したいと言ったのかもしれない。




でも･･･こんなの、逆効果でしかない。




A不足を拗らせた俺は、家に帰り着くなり、自分でも呆れるくらいAにベッタリで。




そんな俺に、呆れながらも、昔と変わらない笑顔で接してくれるAは。




大切な幼馴染で、それ以上でも、それ以下でもないんだから･･･




早く、こんな不毛な気持ちなんて消化して、楽になれたらいいのに。




子供じゃないのに、大人にもなりきれない俺は、その方法を知らない。




Aと離れることは考えられないし、他の子にも全く興味は持てない。




だったら、いっそのこと 心の奥底に閉じ込めておけばいいんじゃないか･･･




誰にも知られないように。




自分も、忘れるように。




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「やっぱ、1組が断トツだよなぁ！」




「分かる！可愛い子多いし！！」




「特にあの2人、良くない？」




「美智瑠ちゃんと神崎さん？」




･･･は？




思わず固まってしまった俺を、不思議そうに見つめてくる千賀。




「…ニカ？」




『……。』




「おーい、ニカってば」




『しーっ！！』




「っ、…ごめん、」




口パクで謝る千賀はひとまず置いといて･･･




「神崎さんって下の名前なんだっけ？」




「Aだろ、神崎A。」




「可愛い系と美人系、2人並んで笑い合ってるとことかやべぇよマジで。」




「分かるわそれ、眼福っつーか…」




「「目の保養！！」」




ぎゃははって笑い合うクラスメイトに、沸々と湧き上がる言いようのない感情。




･････なんだよそれ。




勝手にA見てんじゃねぇよ･･･




「…ニカ、顔怖いよ。」




『……。』




「……ニカ、女の子に興味あんの？」




『…はぁ？』




変な質問に、思わず間抜けな声が出た。




「だってニカ、恋バナとか全然乗ってこないじゃん！恋？何それ美味しいの？…みたいな感じだったよ？！」




『……千賀、うるさい…』




「ふふふ、好きな人いるんだ？」




『はぁあっ？！』




「きゃーっ、分かりやすぅ！！」




『……。』




千賀にAのことを話せたら、ちょっとは楽になれるのかな。




"内緒にしたいの…"




"分かった！"




･･･A、俺 結構辛いかも。

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