Torenia Fournieri -2-

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ベランダで茫然と突っ立ったまま、どれくらい時間が経ったのかも もはや曖昧だった。




とりあえず誰かに相談･････とか？




『………いやいやいや、』




誰かにって、誰だよ。




メンバーにはとてもじゃないけど言えない。




笑われるのが目に見えて？。




ミツや千賀あたりから、《は？バカじゃんw》とか送られてくるに決まってる。




･･･やっぱ、マネージャーに言うべき？




困ったことがあればすぐに連絡するようにって、自粛前にしつこく言い聞かされている。




その度に はいはいと聞き流していたけど、まさに今、困った状況にいるわけで。




「……ダメだ、言えないわ…」




まず、なんて説明すればいいわけ？




干してたシーツが強風に飛ばされました？




え･････絶対怒られるでしょ (苦笑)




何してるんですか！って大目玉食らいそう。




そんで、色々と落ち着いた頃合いには 面と向かって「これだから二階堂さんは…」なんて延々と説教が続くのが目に見えている。




てか、こんな時まで干渉されたくないし･･･って、今俺が言える立場しないけどさー･･･




『わ…っ、』




ブワッと冷たい空気が風に乗って部屋へと入ってくると、さっき乾かしたばかりの髪がなびいて、涼しくて気持ちいいなんて思ってしまった。




『……あ、』




何気なく足下を見ると、端の方にシーツを固定していた少し大きめの洗濯バサミが転がっている。




『…は？壊れてんじゃん！』




だから飛ばされたのか･･･




ガックリと項垂れていると、タイミングがいいのか悪いのか、マネージャーからの着信。




テーブルの上でブルブル震えているスマホを手に取って、なんとなく深呼吸を数回繰り返してから、通話ボタンをタップした。




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電話の要件は、らレギュラー番組の収録がテレビ局内の別室にてリモートで行われることになったというもので、ホッと胸を撫で下ろす。




何か変わったことはありませんか？といつものように聞かれてドキッとしたけど、『ないない！じゃあお疲れ様でーす！』と通話を終えた。




･････ゆっくり晩酌どころじゃないわ。




シーツなしのベッドにそのまま寝るなんて絶対にありえないし、この時期に今からシーツ1枚買う為に外に出るなんて もっとありえないでしょ。




通販でポチれよって話じゃん。




でも通販で頼んでも今日中なんて無理だし。




も〜･･･マジでどうすればいいわけ？！

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