Torenia Fournieri -2-

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『…怖かった？』




「ありえない、最悪。」




『……ごめん、』




「タチ悪すぎ。」




思ったことをそのままハッキリと伝えると、分かりやすくシュンとしている。




･･･やっぱり子供っぽいな。




さっきの冗談といい言動といい、どう考えても4〜5つは下としか思えない。




『だって……俺そうゆう風に思われてんだなって思ったら、ちょっとムカつくじゃん…』




「そうかもしれないからそれは謝るけど、だからといって今この状況で通じる冗談じゃないし。言われた側の気持ちにはなれないわけ？」




私も自然とタメで話していた。




だって、相手もそうだし 私だけ敬語で話してるなんてバカバカしいにも程があるでしょ？




『そうだけど！さっきので傷付いた！！』




「あれ？知らない？男の人って、ちょっとした誤解でもセクハラだって訴えられるのよ？」




『はぁ？何それ、差別じゃん。』




「電車の痴漢だってそうよ？本当に触られたのか冤罪か、いつだって男の人が不利だもの。」




『差別だ！そんなの！！』




「でも、女性側は触られたかもしれないって思うと怖くて怖くて仕方ないの。それが間違いでも、もしそうだったらと思うと怖いし、確固たる証拠がなくて泣き寝入りしてる人は沢山いるの。」




『……。』




「男性側は、ちょっとカバンをずらしただけだとか、誤って手が触れただけだとか、いくらでも言い訳出来るけど。それがトラウマになる女性だっているんだから、故意じゃなかったとしても もっと注意を払うべきだって……そう思わない？」




『……。』




･･･って、なんか話の方向逸れてるし。




「……今のだって、あなたの目付きとか、私の勘違いだったとしても冗談でそうゆう雰囲気を醸し出したっていうのは聞き捨てならない。」




『…怖かった、よね。』




「当たり前でしょ？」




ジロリと睨み上げると、キョロキョロと視線を泳がせたかと思ったら、真っ直ぐに私を見て




『…ごめんね、』




･･･って、眉を下げて謝ってきた。




「まぁ、部屋に入ったのは致し方ないし、そもそもこんな格好で何言ってんだって話だけど…」




『いや、悪いのは俺だって！』




「…そうなの？」




『そうなの？それに！マジで、全っ然そんな風に見てないから大丈夫。安心してよ、ね？』




･････なんか複雑なんですけど。




一応、現役モデルなのに！




私にはそうゆう魅力がないってこと？

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