Torenia Fournieri -2-

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「ねぇ、にか海見た？！」




隣のデスクからバシバシと肩を叩いてくる、同期で親友でもあるマイコ。




私と同じで キスマイが大好きな極々普通のOL、ちなみに千賀担だ。




マイコは千賀くんに一直線だから、マイコから高嗣の話をしてくるなんて珍しい･･･




「……ニカちゃんの？」




「昨日のだよ！見てないの？」




「あー…うん、昨日はちょっと…」




･･･本人の前で見れるわけないし。




「昨日の夕方頃に更新されてたみたいなんだけど、今ツイッター見たらさぁ…」




「…さっきって、」




あんた、仕事中でしょ？




「見てこれ、ニカの自撮り！！」




じゃーんって効果音が付きそうなくらいの勢いで、私に画面を突きつけるマイコ。




･･･････ん？




「…は？なにこれ！！」




思わず、マイコの手ごと掴んだ。




「ちょ、落ち着いて (笑)」




「いやいやいやいや……は？」




画面を凝視する。




「ヤバくない？これって家の中でしょ？めちゃくちゃプライベートじゃん。」




「……。」




「…A？」




「………高嗣め、」




やっぱり自撮りしてたんじゃん！！




しかも何？




なんで載せてるわけ？！




「これはファン喜ぶねぇ…」




「……マイコもそう思う？」




「うん、めっちゃプラベっぽい。」




胸のあたりがモヤモヤする。




･･･高嗣のバカ。




いくらなんでも、ここまでプライベートな写真 載せる必要なくない？




楽屋とかで撮ればいいじゃん。




「…A？どうかした？」




「っ、え？」




「嬉しくないの？Aの愛しのニカちゃんだよ？しかも自宅で自撮りだよ？」




「……嬉しいよ、」




「テンション低っ！」




「プリントアウトする。」




「出たー…どうせ部屋に飾るんでしょ？」




「うん、待ち受けにもする。」




愛だね〜なんて、マイコが笑う。




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_____その日の夜。




『うっわ、なんだよこれ！！』




寝室の壁には、でっかくプリントアウトした高嗣の自撮り写真を貼ってやった。




顔を真っ赤にして怒る高嗣の後ろ姿に、壁が写るようにして 無音カメラを向ける。




撮ったと同時に、高嗣が振り向いた。




「……あ、」




『…今撮ったな？』




「撮ってない (笑)」




『……。』




ジリジリと詰め寄ってくる高嗣。




その背後には、高嗣の自撮り。




･･･すんごい眼福なんだけど (笑)








ーfinー

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