Torenia Fournieri -2-

たまには甘えさせて ページ16

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「え、何してんの…」




『うわっ、急に開けんなよ！』




高嗣に付き合って夜遅くまで録り溜めてた番組を観ていたせいで、ついさっき起きたばかりだった。




あー･･･寝過ぎたから体が怠い。




とりあえず顔洗って歯磨こうかなって、洗面所のドアを開けた瞬間･･･




完全に、目が覚めた。




スマホを顔の高さに掲げて、腕を伸ばしてる高嗣がいたからだ。




『…なんもしてねぇから、』




目を泳がせながら、ボソッと呟く高嗣。




「……自撮りしてたよね？」




『してない。』




「嘘だ！カシャッて聞こえたもん！」




『…スクショの音じゃないの？』




「……。」




『ていうか、俺が自撮りとかしないタイプだって、A知ってるじゃん。』




「それは…そうだけど……」




どうやら･･･




意地でも認めないつもりらしい。




でもさ、突っ込みどころ満載だよ？




この時間帯にパックしてるのも、洗面所にスマホ持ち込んでるのもおかしいし。




普通、パックはお風呂上がりだよね？




スマホだって、普段家にいる時はリビングのテーブルの上に置きっ放しくせに･･･




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結局、さっきのパックで自撮り疑惑は うやむやになっちゃったけど･･･




ご飯を食べて、部屋の掃除が一段落する頃には、そんなことはすっかり忘れていた。




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「今日は仕事ないんでしょ？」




『うん、収録あったけど中止。』




「この時期だもんね…」




『Aは月曜から出勤？』




「そうだよ。」




『ちゃんとうがい手洗いしろよ？マスクも食事以外では外さないように…』




「ふふ、分かってるって (笑) 」




手洗い動画、何回もリピートしたし。




『あ…マネージャーから電話だわ、』




ポン、って私の頭を軽く撫でると、スマホを片手にリビングを出て行った高嗣。




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「おかえり、仕事の連絡だった？」




『……。』




「…高嗣？」




『……明後日の収録も延期だって、』




「……。」




『仕方ないって分かってるけどさ、やっぱ仕事がないのって辛いわ…』




「……収録ってなると、スタジオに沢山の人が集んないといけないしね。」




『まぁ、家にいるのも好きだけどさ？平日はA仕事だし……寂しいじゃん、』




「…っ、」




･･･なにそれ。




めちゃくちゃ可愛いんだけど！




私がいないから寂しいとか･･･




高嗣ってそんなこと言う人だっけ？！

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