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26話 内容変更 ページ37

そしてそこにあるのは…紗奈の横たわる姿…ではなく、ただの石造りの床があるだけだった。

「っ…⁉」
「ざーんねんやったなぁ…おばさん。」

あたりを見渡したエルドの上から声が聞こえ、そこを向くと、宙に浮いているセンラの姿があった。
紗奈は腕の中に収まっていた。

「吸血鬼…!」
「紗奈の助けの声が聞こえてきたんやけどなぁ…。危なかったわぁ。」
「センラ…何で空飛んで…⁉」

落ちてしまうかもしれないので、紗奈は無理に暴れることができなかった。

「あれや、あれ。」

指差す方向にはステンドガラスから、輝く三日月が見えていた。

「吸血鬼は月が出ると空が飛べるんや。」
「__きゃぁぁぁっ‼」

センラが説明をした瞬間、叫び声が聞こえてきた。

「…待って…」

声の方を見れば、水穂の上にまたがっている坂田が首筋に噛み付いた…

「水穂っ…!ひぁっ⁈」

急に体が揺れて…正確にはセンラが急に動いたため、それに驚き、紗奈は思わずセンラにしがみついた。

「紗奈…、あっちの心配してる暇は…無いみたいやな。」

下を覗くとエルドがこちらを睨みつけて杖を振るっている。

「センラ、ありがとう。」

紗奈はセンラの腕を抜け出し、地面に着地した。
杖を取り出し、エルドに向ける。

もう、紗奈には時間がない。
神武器には変身時間と言うものが存在する。
その時間は短いため、危ない。

だからもう、紗奈は剣での一騎打ちはできないだろうと判断したのだ。

「…魔法勝負ねサナ。良いわ。」

杖を振り上げたエルドは魔力を更に溜め続ける。
紗奈も同様、魔力を溜める。

その時、エルドは魔法を放った。

まだ完全に止まりきっていないのに放った。
それは予測不能な行動だったので紗奈にはそれに反応することができなかった。

光がこの広い空間を包み、元の空間に戻ったかと思うと、どっと紗奈の身体が重くなる。

「…っ⁉」
「あら、残念だわ。一応動けるのね。」

そしてエルドは何もなかったかのようにまた目を留め続けた。

『なんで…なんでこんなに体が重いの…?
魔力の溜まる速度も遅くなった。どうして…?』

魔力を止めつつ考えた結果この最悪の答えが出た。

『まさか…契約が切れた…?』






___________________

ちなみに坂田さん噛んでないです。
見間違いです。

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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月8日 21時

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