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13話 ページ19
自分が弱っている姿を見られたくなかった。
ずっと彼女に悟られないための言葉を言っていた。
あの時、餌とか言った言葉も全部嘘だった。
彼女と、紗奈としばらく一緒で、日を重ねるごとにこの感情が大きく大きく膨らんでいく。
この気持ちを隠したくて…吐き出せる場所がなくて…ひどいことを言った。
なんて俺は最低な奴なんだろう。
彼女が愛しくてたまらないのに。
傷つけたくなんてなかったのに。
本当は誰よりもそばにいて守ってあげたいのに。
苦しい…でもその中に幸せと感じる…。
何とも言えないこの感覚。
この感情はなんだろうか?
ズキズキと痛む頭をフル回転させて考える。
もしかして…これが、恋?
まだ痛む手を伸ばして、彼女に触れる。
「恋…なんや。これが。」
小さい声で呟いた。
長いまつ毛にトパーズ色の長い髪、華奢な手足に柔らかい肌。
全てを自分のものにしたい。
「好き…好き、大好き。紗奈」
そう正直につぶやいたら、苦しさは少し楽になった。
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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月8日 21時