6話*スヴィエトゥ ページ9
『……しばれるなぁ』
私は独り、神社の石段に腰掛けた。
正月以外は人気のないこの場所は、雪が降り積もって、どこかもの悲しく感じる。
『誰もいない』
冷えきった指先に息を吹きかけ、あたためる。
吐き出す水蒸気が、前髪を凍らせる。
『独りぼっちは寂しいなぁ……』
私は、北海道士別市。四方を山に囲まれた、静かな地。
侍と呼ばれても、そんな気高い精神などない。
大いなる川と呼ばれても、誰かを優しく包み込むことなどできない。
『私に何が出来ると思う？』
士別市の神として、何人かの神に、命を託された。
私でよかったのだろうか。なんて、いまだに考え込んでしまう。
そうだ。私には何もできない。
街はどんどん寂れ、人口は減る一方だ。
『……何とかせねばなるまい』
少し潤んだ目をごしごし拭い、私は立ち上がった。
今すぐに、でなくてもいい。
この街を、あたたかい街へと変えようではないか。
私に、命を託してくれた彼らの為にも。
私は北海道士別市の神。
大いなる川の神、ツクモだ。
『……でも先ずは、このド田舎から出て、他の神に会わなくては』
私は、肩に積もった雪を払い落とした。
続く (更新停止中)
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メロンパンのメロンパン(プロフ) - MISAKI#さん» ありがとうございます！こちらは神様の戯れ。という企画の合作となっております。もしよろしければご参加ください！ (2020年2月24日 12時) (
レス) id: 9329d1e699 (このIDを非表示/違反報告)
MISAKI#(プロフ) - 題名見て面白そうだったので来ました！設定好きです…！ (2020年2月24日 11時) (レス) id: 5900aac5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メロンパンのメロンパン x他5人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年1月9日 16時
