#首領の歪み ページ28
ー森sideー
A君には悪い事をした。本来なら彼処で彼女が死んで物語は幕を閉じた筈であった。けれど、やっぱり殺したくなくて、また仲良くお茶会がしたかった。
だから彼女から敵の人数が情報と違った、と聞いて寒気がした。
いつか聞いた事のあるその台詞ははっきりと耳に残った。そんな筈は無い。私が調べたのだから間違いない。だけど、眠りにつかせる為の毒の件もあったから………
きっと真実を云っても信じてもらえないだろう。
私が調べた数より敵が多かったのは本当に知らなかった。だから、耳を疑った。私が騙したのだと勘違いする彼女を見て心が痛くなった。
けど…その状況は好都合。
彼女が光の世界へ行けるなら、此処を裏切る理由になるなら、私が嫌われ役を演じられる。
彼女を救う事ができるかもしれない。
森「やっぱり"首領"呼びは辛いなぁ…」
心でそう決めてはいたが、案外ダメージが大きい。こんな事じゃマフィアの首領失格だ。きっとこんな事云ったら君に怒られてしまうだろうけど、
机の引き出しに仕舞っておいたAちゃんの写真。決して、幼女好きとかそういうのじゃないよ？
此処へ来た時の写真。
私もまだ若く、Aちゃんはよく笑っていた。
その時から何処か嫌な予感はあった、というか彼女の異様な雰囲気に飲み込まれそうだった。
森「ねぇAちゃん」
写真をなぞって呟く。
森「私は首領失格かな、
君に云ったら怒られるだろうけど。
織田君が死んだのは必要な事だった。許されない事なんて、重々承知だ
そろそろA君とちゃんと話がしたいな。
昔みたいに、
もう間に合わない？遅かったかな？
君を救うの、遅れたよ。
大事な人一人も守れないなんて、やっぱり私は駄目かもしれないね。」
らしくもない事を一人、誰もいない部屋で呟く。
今更、なんてもう遅い。全部終わった。きっと今頃彼女は全てに区切りをつけた。
見ていればわかる。小さい頃から育ててきた、自分の娘みたいな気分だった。
だけど、何もかもが遅かった。
もし、君が許すのなら。また一から始めよう。
どれだけ経っても構わないから、
もう一度君に笑ってほしい。
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (
レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(？)おめでとうございます！私此の作品だいっすきです！応援してます！お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます！申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！！！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2019年8月14日 16時
