Smilest 3

85 ページ3

.



私「ゴホッゴホッ」





翌日、朝起きたら



ものすごく体調が悪い



よく眠れなかった気もするし、



カラダもだるい





母「ちょっと、風邪ひいたでしょ！
あんなにずぶ濡れで帰ってくるから。
お店はいいから、寝てなさい」




私「うん……そうする」





頭に浮かぶのは、



昨日の太輔とミワさんの話してる姿






……ミワさん、私の体操服着たのかな




きっと、あんなダサい体操服だって



似合うんだろう







あ、



合鍵……



やっぱり返す事になるのかな





鞄から鍵を引っ張り出し、



握りしめる





やだよ……返したくない





鍵を握りしめたまま、眠りについた






〜♪♪♪




遠くで携帯の着信音がする





けど、起きる気力はなくそのまま



また眠りにつく






どのくらい寝てたんだろう……



部屋のテーブルには、



恐らく昼に母が置いていったお粥と



風邪薬





私「ゴホッゴホッ」





咳は出るけど、おなかは空いた





お粥を温めなおそうと、レンジにかけ



ふと、手に違和感





ない！



鍵がない！





たしかに握って寝たはずなのに







部屋に戻って、ベットから布団をはがす






バサッ！



バサッ！





ない



ほんとにない





ベットの下とか、探してみるけど



見当たらない





私「ゴホッゴホッ」





……どうしよう



この部屋のどこかにはあるはずなんだけどな





あれがないと、



太輔のうち、行けないじゃん……





もう行くなって事？



神様がそう言ってるの？





泣きそうになりながら、夢中で探してたら



〜♪♪ 〜♪♪♪



着信音





私「……もしもし」



〃A？〃





画面を見ずにでたら太輔だった






私「たぃ……す…けぇ……」





声を聞いたら、我慢してた涙が



溢れてしまった





〃え、泣いてんの？〃



私「……」



〃そんな辛い？熱あがっちゃったのかな〃




なんで熱あるって知ってんの？




〃お粥食べた？薬置いてあったでしょ？〃




なんなの？エスパー？




〃あれ、聞いてる？もしもし？(藤ヶ谷さん！)
あ、呼ばれちゃった〃




かすかに聞こえたミワさんの声……

86→←84

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す