025・悪魔の囁き ページ27
「だから何？」
改めて辺りをゆっくりと見渡しながら会話する。
「ボクの気が変わって襲うかもしれないよ♣︎」
Aは髪をなびかせながら振り返り甘い苦笑いをする。
「ヒソカにその気があるなら、とっくに私は襲われてるよ」と付け加え。
やれやれと首を振り置いてあった時計をはめ開いた扉に足を運ぶ。
ヒソカは冷笑的な薄笑いを含み興奮したものを必死に抑えていた。
細く夕暮れのように暗い通路を進みながら、Aは隣を歩くヒソカの顔を見上げる。
「ねぇ、ヒソカ」
見つめてくる双眸に疑念の色をよぎらせているが、Aは構わず切り出す。
「1次試験終わりから私に執着してるよね。なんで？」
「ん？何のことかな♠︎」
またまたとぼけた顔して、騙されないわよ。
眉根を寄せて真剣な顔をする彼女に、ヒソカは不可思議な感情が湧く。
赴くまま体が動いた。
「A♦︎」
名前を呼ばれ見上げれば視線が絡み合う。
長細い手がゆっくりと伸びてきた。
Aは、反射的に体を引いてしまう。
だかいつの間にか背中に回された腕がそれ以上を許してくれなかった。
はぐらかす気？
真っ直ぐに向けられている視線を受け止め睨みつける。
ヒソカは気にすることもなく大きな手で左頬を優しく撫でてきた。
その手を払い除ける。
「質問に答えて頂戴」
ヒソカは答えない。
追い討ちをかけるようにヒソカの長い指先が唇をかすめる。
「ボクがこんな関係を求めたらどうする？」
足の間にヒソカの足が強引に割って入り体が密着する。
「ツッ‥‥ちょっと‼︎‼︎」
Aは薄く口を開いたまま喉を震わせ、頬を赤らめて羞恥に身悶えた。
思ってもみなかった行動に動揺を隠せず、胸がどきりと音を立てる。
うるさいほどに胸の中で暴れる心臓を必死に抑え、表情を取り繕う。
「からかわないで。今すぐ離れて！」
「ボクは至って真剣だよ？」
意地の悪い笑みで言ってくるヒソカを射抜くような鋭い眼で睨みつける。
「ククク、本当に君はボクを楽しませてくれる❤︎」
次の瞬間ヒソカに横抱きされる。
「アッ‥‥」
間抜けな声が漏れ咄嗟に口を抑える。
あまりにも一瞬の出来事すぎて何が起きたのか把握出来なかった。
慣れない浮遊感にもがくものの離してくれる素振りは一切ない。
「ヒ、ヒソカ‥‥お‥‥」
「降ろさないよ♦︎その上で何だい？」
言わんとしたことを先制されてしまい言葉を失った。
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カラス - ヒソカたまらん、、更新楽しみです待ってますー (2021年9月3日 4時) (
レス) id: 2cdebcf1aa (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - めっっちゃ萌えます‥！！ヒソカの変態っぷりも良いですし出会い方やストーリーがめっちゃ好きです‥！！(*≧∀≦*)ぜひ更新よろしくお願いします！m(_ _)m (2019年8月13日 0時) (レス) id: cdff23c672 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - フェイタン天使さん» ありがとうございます！！やる気が出て更新しました、笑 良かったら引き続き読んでください！よろしくお願いします(_ _) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 427ac8eeed (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ヒソカあああああああああああ！！！優しい少年の方も萌えたけど、今の変態ヒソカの方も十分に萌えます！！更新待ってますw (2017年9月5日 22時) (レス) id: 36a76390b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：樹枝六花 | 作成日時：2017年8月24日 23時
