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「よっ。早かったな。」


「お久しぶりです。」


先に頼んでいたであろうコーヒーのカップは既に冷めきっているようで、半分ほどしか残っていない。


「いつからここに居たんですか?」



「さっき。」



「ここのコーヒーは随分ぬるいんですね。」



「そうだな。猫舌の俺でも飲めた。」



ウソツキ。
なんとなく気まずい私とは裏腹に平然としている凌さん。


「なんかあったんですか?」


「なんで?」



「なんでって...いや、なんかあったから呼ばれたのかと...」



「理由がなきゃ飯も付き合ってくんないの?お堅いね〜」



何だかとても嫌な雰囲気。
ペラペラとメニューをめくる凌さんと今どんな気持ちで接するべきなのか分からない。
ただ、久しぶりに見る凌さんが相変わらずカッコイイ事に理不尽にも腹が立った。


「凌さんが奢ってくれるってんならいくらでも来ますけど。」



「え?何キレてんの?」


「別にキレてないですよ。」


「あっそ。最近何してんの?」



「普通に学校行ってます。」



「へぇー。忙しいんだ。お前、さっぱり来なくなったから。」



私が行かなければ仕事も進むんでしょ?邪魔がいないから。


「今卒業課題で忙しいんです。」


「なにやってんの?」


「グループ演奏です。Overtureのanonymous.」


「ほぉ、これまた難しいのを。」


凌さんからしても難しいのかな。
事実、私は難しくて挫折しそう。


「コードも難しいのにボーカルもやらなくちゃいけなくて。英語は苦手なのでなかなか進みません。」


「そーゆー時こそ教えてやんのに。」


「まぁ...なんか...」


「そんなに気乗りしないならやらなくてもいいんじゃねぇの?」


「でも、課題だし。みんなやってるし...」


「やらされてる音楽とか、つまんなすぎ。まぁ、行き詰ったからまた来いよ。教えれる事もちょっとはある。」



そういうと、話してるうちに出揃った食事をかきこむ。



初めて。
勝手に通っていた凌さんの元に


凌さんから私に来いと言った。

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作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時

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