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『学校通っててF押さえれないのはなかなかな才能だな。』
「それは私も思います。凌さんも何か聞かせてください。プロなんでしょう?」
そう言ってギターを返すが、
彼が構えることは無かった。
『お前には俺の音楽をまだ理解出来ねぇよ。』
「納得出来ません。」
『納得しろ。』
そう言うと凌さんは煙草に火をつけた。
その姿があまりにも絵になるもんだから、つい見とれてしまった。
『聴かせないからって、そんなに睨むことなくない?』
「いや、睨んでませんよ別に。」
『あっそうですか。』
「凌さん。」
『何。』
「ココア飲みたいです。」
『今火つけたばっかだろ。ちょっと待て。』
「凌さん。」
『ん。』
「今何時ですか」
『時計見ろよ。』
「凌さん。」
『今度はなんだよ!』
「私にギター教えてくれませんか。」
『やだ。』
「弟子にしてください。上手いんでしょ??」
『お前よりはな。でもムリ。』
下手くそな会話の流れで弟子入りを持ち込んだものの、呆気なく却下された。
「謝礼は幾らですか?」
『お前の耳どうなってんの。』
「やっぱり...身体の方良かったりしますか??」
『そんなもんむしろ金払えよ。俺安くねぇから。』
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作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時