出会い ページ2
日向くんと初めて出会ったのは、
中学3年生の夏休みのことだった。
その日、私は塾の帰りだった。中学3年生は受験の年。塾には通っていたけど、私はこれといってしたいこともあんまりなくて、高校もまだどこを受けるかさえも決まっていなかった。
「行けるところがあればそこでいいんだけどなぁ〜。」
どうしよ〜、何て独り言を言いながら帰る。いつもの帰り道の土手を歩いていると、オレンジ色の髪の毛をした男の子が1人でバレーをしていた。
「なんで1人なんだろ。自主練かな？？すごいなーー。」
なんて言っていたら、
ふと、その男の子と目が合った。
その男の子の目はとても純粋で力強く、私はしばらく目が離せなかった。すると、バレーボールが私の足元に転がってきた。
(そういえば、最近バレー全然してないなぁ………。またやりたいな……)
遊び程度でバレーをするのは好きだ。だが今は高校受験にみんな忙しく、バレーをする暇はない。
転がってきたボールを拾うと、
男の子が私に近づいて来た。
「すみません！ありがとうございますっ！！」
体操服姿のところを見ると、中学生だろうか。
「はい、どうぞ。君は中学生？」
オレンジ色の髪をした男の子に尋ねる。
「うん！！俺、雪ヶ丘中学3年生でバレー部の日向翔陽！君は？？」
「わ、私は北川第一の3年生で、松岡Aって言います………。」
日向くんの笑顔がまぶしくて、
つい見とれてしまって敬語になってしまった。
「北川第一？？そこってバレー部あるの？」
この子はよっぽどバレーが好きなのだろう。最初に食いついてきたとこがそこか。
「あるよ。私の幼馴染が入ってるけど、まぁ強い………のかな。」
「ふーん、そうなんだ。松岡さんか、松岡さんはバレー好きなの？？俺はすげーー好き！！！」
ニコっとまたまぶしい笑顔が向けられる。
「う、うん！バレーは見るのもするのも好きだよ！何かこう、一つのボールに対してチームで動く感じがすごい好きだな……。」
私は少し照れながら話す。
チラッと日向くんを見ると、
「おぉーーーー！！松岡さん分かってるじゃん！！！その気持ちすげー分かる！」
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作者名：うさぎ。 | 作成日時：2014年7月12日 19時
