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「この男達は何者だ?」

私は太宰に尋ねた。

「"ミミック"」

「ミミック?」


初めて聞く名だ。

「まだ善く判ってないけど、どうやら欧州の犯罪組織らしい。
判っているのはそいつらが何故か日本に来た事と、ポートマフィアと衝突を起こしている事だ」


ポートマフィアと対立する犯罪組織など珍しいものではない。


横浜近辺にもマフィアと縄張りを争う犯罪組織はある。

政府の目の届かない横浜租界には無数の無法者たちが棲みつき、互いの領地を喰らいあっている。

租税回避区には世界中から洗浄待ちの闇金が流入し、企業犯罪と傭兵ビジネスを潤している。

海外から犯罪組織が濡れ手に粟を狙って来たとしても不思議ではない。


だが、観測手つきの職業狙撃手が居るような犯罪組織が、世界にどれほどある?


太宰は私の疑問顔から心中を察したらしい。

「ま、詳しい事は調査中だよ」

太宰は肩をすくめながら云った。

「でも、安吾の部屋に狙撃銃を向けていたところから何か判るかもしれないね」

「この金庫を取り戻す為だ」

私は白い金庫を掲げて云った。

「安吾の部屋にあった物だ。
だが鍵がなくて開かない。
中身が判れば、何かの手懸かりに__」

「なんだ、そんな事?」

太宰が気の抜けた笑顔になった。

「それなら簡単だよ。
ちょっと貸して」


太宰に金庫を手渡した。

太宰は金庫を揺すって音を確かめた後、足下に転がっている塵から、事務用の針金ピンを見つけて拾い上げた。

ピンの先端を指先で少し曲げた後、金庫の鍵穴に差し込んだ。


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ミュウ=ムー(プロフ) - 教えてくださり、ありがとうございます。 (2018年9月20日 19時) (レス) id: 1429768fb6 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - オリジナルフラグははずさないといけませんよ。違反行為なので (2018年9月20日 19時) (レス) id: 8d50bc542b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年9月19日 21時

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