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ともかく無事事務所まで辿り着くと、私はロビーまで歩いた。
警備をしている同僚に軽く挨拶した後、昇降機に乗って最上階へと向かった。
欧州の高級ホテルを思わせるロビーにも、近未来の空間転移装置を思わせる昇降機の内部にも、塵ひとつ落ちていないし、指紋の汚れひとつ付いていない。
この事務所が建っているのは、横浜中心部の一等地だ。
同じ規模の事務所が、近隣にあと四つある。
市街地を見渡す硝子張りの昇降機から眺めると、自分の視線より高い建物は次第に減っていった。
そして最後にはゼロになった。
それでも昇降機は止まらない。
朝のビル群を見下ろしながら、首領に呼び出された理由を考えた。
改めて考えれば、たかが下級構成員ひとりを処分するために、最上階の執務室を使う筈がない。
部下を消すなら廃棄物処理場にでも呼び出して解体し、掃除屋に処理させればいい。
大して手間も費用も掛からない。
首領はかつてポートマフィアを束ねてきた先代達と較べてもはるかに合理的思考の持ち主で、とりわけその手の環境配慮を好む。
しかしだとしたら、私のような構成員に首領が一体何の用件だ?
昇降機の扉が開いて思考は中断された。
その先の廊下は、どんなに走ってもこそりとも音のしない毛足の長いカーペットが敷かれ、対戦車擲弾でも破壊できないような頑丈な壁に囲まれていた。
光源の位置を悟らせない完璧な間接照明のおかげで、廊下全体が乳白色にぼんやり光っている。
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ミュウ=ムー(プロフ) - 教えてくださり、ありがとうございます。 (2018年9月20日 19時) (レス) id: 1429768fb6 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - オリジナルフラグははずさないといけませんよ。違反行為なので (2018年9月20日 19時) (レス) id: 8d50bc542b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年9月19日 21時